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2006年3月27日 (月)

リチャード・ミズラックの写真集を入手

仕事柄写真集をよく購入する。迷ったら買え、を信条としている。写真集に興味がなくなった時は引退だと思う。今日はアメリカ人作家リチャード・ミズラックの"Richard Misrach: Chronologies"をネットで購入した。彼の30年間の写真をコンセプトに関係なく、時代順に並べた本だ。彼の写真集は代表作"デザート・カントス"しか持っていなかった。不毛の地だったカリフォルニアとアリゾナの砂漠が文明化したことで環境が激変している様々なシーンをクールかつ美しく撮影している。彼はヴィジュアルでのつかみがうまいのだ。一瞬、きれいだなと見とれてしまう砂漠の風景には実は人間の手が入っていることを発見する。砂漠という客観的空間のなかの小さな自我のような感じだ。きれいの中に潜む違和感が魅力だった。比較的近年に刊行された"The sky book"や"Golden Gate"なども買おうとは思っていたが、他に優先して買う本があり後回しになっていた。本書は彼のキャリアを網羅しているので、ちょうどよいと思ったことがきっかけだった。あと約40X32cmの大判だったのに魅力を感じた。この手の風景写真のオリジナルプリントは非常に大きい場合が多い。小さい本だと作品の感じが伝わってこないのだ。印刷のクオリティーが非常に良いことも評判に聞いていた。出版しているのが、サンフランシスコのFraenkel Gallery であることも決め手となった。ここは過去に、アベドンやフリードランダーなどのこだわりの本をだしている。アベドンの"Made in France"などは超人気で、すぐに売り切れて、現在古書市場で非常に高値で取引されてる。

ミズラックが初めて日本に紹介されたのは、いまは閉廊してしまったギャラリーMINでだったと思う。1980年代後半に個展が開催され、作品を見た記憶がある。場所は目黒碑文谷のダイエーの裏にあった。MINはミズラック以外にもアメリカの素晴らしい写真家を紹介していた。やはり時代に先んじすぎていたから継続できなかったのかもしれない。ミズラックの個展は、その後1990年に渋谷パルコ・ギャラリーでも開催されている。

オリジナル作品の値段が気になったのでオークション資料を調べてみた。現在、80年代の代表作は100万円程度になっているが、小さめのものなら40万円くらいで買える場合もあるようだ。もう15年以上も前のことだが、パルコギャラリーでは小さめの作品が10万円代からだった記憶がある。当時欲しかったから値段を覚えているのだ、しかし何で買わなかったかは忘れてしまった。オリジナルプリントの場合、迷ってもなかなか気軽に買えないことが悩みの種だ。

アート・フォト・サイトでの本書の紹介ページ

http://www.artphoto-site.com/b_401.html

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2006年3月24日 (金)

ギャラリストの憂鬱

ギャラリーをやっていて面白いのは写真展によって来廊者層がまったく違うことだ。現在行っているアーサー・エルゴート展では一人で来る若い女性とカップルの比率が非常に高い。ファッション雑誌、専門誌などで多く紹介されたことの効果だろう。最近は雑誌のなかでアート関連スペースが非常に限定的になっている。美術館などの大規模なアート展の紹介が中心で、ギャラリー規模の写真展はなかなか紹介してもらえない。写真展ごとに、願いを託してプレス資料をメディアに送付するのだが、企画によってはまったく反応がない場合もある。実は写真展の成否はこの段階でかなり推し量ることができる。新聞、雑誌などマスコミで取り扱われないものは、顧客の反応もよくない場合が多い。そして展示スタート後1週間で集客が悪い場合は、その後急激に来廊者が増えることはないのだ。そんなときは、案内状(DM)を新たに配ったりして、悪あがきをするのだ状況はあまり変わらない。当然のこととして営業成績も芳しくない。通常の開催期間は1.5ヶ月、そんなときは閑古鳥が鳴くギャラリースペースの中でギャラリストの憂鬱が続くのだ。
今回は、マスコミの反応も上々、来客者もコンスタントに増えている、とりあえずギャラリストとしては安堵して、営業に精を出している。

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2006年3月20日 (月)

アーサー・エルゴートのカメラ狂い

4月中旬まで、アーサー・エルゴート写真展"カメラ・クレージー"を開催している。テーマは単純だ、カメラを持っている人、撮影している人をスナップしているだけだ。アマチュア方でも取り上げるテーマだろう。最初は、ただエルゴート自分が面白いと思って撮影していたのだと思う。しかし、彼がすごいのは何と30年以上も同じテーマを継続したことなのだ。そうなると、カメラをキーワードにした時代、風俗、ファッションの変遷が見えてくるのだ。またカメラ・マニアの人によると、多種多様なカメラ機器の歴史としても楽しめるそうだ。作品に登場するカメラとか、レンズのことを語っているお客様も多い。カメラを持つスーパーモデルのイメージが一部にあることも見所だろう。

販売価格をほぼNYと同じに設定したところお客様の反応も上々だ。用意した写真集は早くも完売してしまった。良くまとまったヴァリュー・フォー・マネーの本だ。版元の在庫はそんなに多くないようだが、アマゾンや洋書店ではまだ入手可能のようだ。

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2006年3月18日 (土)

ポストカードを取り扱いはじめる

ギャラリーの店頭でアート写真のポストカードを取り扱い始めた。すべて米国から輸入した約120種類のモノクロ・カラーカードだ。特に自分でも手元においておきたい、イコン的な有名作品を集めてみた。
10年位前は東京中の洋書店、雑貨店でポストカードが買えた。しかし、現在は、子猫などの可愛い系や、パーソナルな気分や感覚をサンプリングするものが中心で、モノクロのアート系カードは案外入手しにくいのだ。
1枚税込み150円、在庫投資や管理の手間を考えたら儲けはほとんどない。全く売れない不良在庫分を考えたら赤字かもしれない。しかしポストカードはアート消費の入り口だと思う。一枚のポストカードがきっかけとなり、それを撮影した作家の世界観に興味を持つことになればとても素敵なことだと思う。

Blog_001

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