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2006年12月31日 (日)

名古屋の初写真展が終了!
予想以上の好結果に手ごたえを感じる!

ギャラリー・オーチャード(アート・フォト・サイト名古屋)のオープニング企画、マイケル・デウィック写真展が12月27日に無事に終了した。アート写真中心に扱うギャラリーとして11月にオープンしたのだが、結果は予想していた以上に良かった。中部地方で唯一の写真の企画展ギャラリーということでマスコミの反応も非常によく、来廊者数は終了間際まで途切れることなかった。特に最終日はたいへんな盛況だったそうだ。デウィックの「エロカッコいい」写真は新ギャラリーの知名度アップにかなり貢献してくれた。そしてかなりの数の作品が売れたのは素直に嬉しかった。外人作家なので単価は決して安くない、オープニング展としては上出来の結果だ。1冊1万円以上のサイン入り写真集もかなりの売り上げだった。また期間中に開催したワークショップにも熱心な方が多数参加してくれた。個人的には、本展をきっかけにかつて交流があったお客様たちとも再会できたことが嬉しかった。

以前から名古屋のお客様は何人も知っていた。好きなヴィジュアルに対する強いこだわりを持つコレクター気質の人が多かった。たぶん市場としてかなりの可能性があるだろうとはにらんでいた。しかし、だいたい想像と現実とは違うもの。今回のようにかなり予想に近い結果になるのは稀なのだ。東京ほど大きな市場ではないが、個別のお客様のレベルはかなり高いと感じた。やはり、名古屋圏にもアート写真を愛でて、良いものをきちんと評価してくれる人がいたのだ。また将来的に顧客になる可能性の高い予備軍の人もかなりいる気配も感じた。今後のギャラリーによるアート写真の啓蒙活動が重要になるだろう。オーナーのO氏も今回の結果でかなりの手ごたえを感じたようだ。

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次回は1月19日(金)から横木安良夫写真展「teach your children」を開催する。本展は、東京と京都では行っているが、名古屋では初開催となる。壁一面を大小さまざまなサイズのデジタルプリントで埋め尽くす展示を今回も行う。また、ヴィンテージ、モダン、デジタルの3種類の写真作品を同時展示する予定。期間中には、これも東京と京都で行い好評だった、横木安良夫のワークショップ「シンプル・デジタル写真術」を2月上旬ころに予定している。同展の作品を収録した写真集「あの日の彼、あの日の彼女」(アスコム刊)の名古屋特別バージョンも会場で限定数販売予定。すべて、横木のサイン入り、帯が特装版と同じ仕様になっている。値段は書店の価格と同じ3,990円、これはかなりお買い得です。
また、オリジナルプリント付き、箱入り(原耕一氏渾身のデザインによる)、サイン、エディション入りの特装版(限定100部)も15,750円で販売します。いままでの写真展は見るだけのイベントだった。しかし、本展では、何かを感じる写真があれば気軽に購入できることが特徴。初めて入手する人を想定して、フレーム入り限定50作のデジタル・プリントは18,900円~という戦略的値段設定をしている。写真集から好きなイメージがオーダーできる。15種類ある銀塩モダンプリント(限定30作)も52,500円~で買えます。レベル高い名古屋のお客様がデジタル作品にどのように反応してくれるか非常に楽しみです。
私もオープニング前に、作品展示のお手伝いに名古屋へ出張予定です。初日はできる限り会場にいる予定です。

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2006年12月24日 (日)

中村ノブオ 「How's your life」終了!
来年の予定

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(C)Nobuo Nakamura

11月から開催していた中村ノブオ写真展が終了した。本当に多くの方にご来廊いただき、ありがとうございました。本展も、会期終了に向かって来廊者が増えたのが特徴。最終日に一番多くの人が来てくれた。日本人を撮影した「三春」作品は売れなかったが、ニューヨーク・シリーズは、旧客とともに新規のお客様の購入もあった。ミニ・プリントも、相変わらずの人気だった。彼の80年代の絶版写真集「ハーレムの瞳」が欲しいという人が非常に多かった。将来、新たなフォーマットで再版になればと心から願う。日本より、海外の方が可能性があると思う。ニューヨークの作品はぜひ、現地で写真展を開催したいと考えている。海外への営業活動は来年の、当ギャラリーのテーマのひとつだ。今回の展示は、過去の作品を再アレンジしたものだった。多くの人から彼の新作を待ち望む期待の声が聞こえた。作家にとってうれしいプレッシャーだろう。
中村の知り合い、仕事関連の人も多く来てくれた。気になったのが、彼がアート作品として写真を発表していることを全く理解していない人がかなりいたことだ。本人が会場を借りて展示していると思っている人も多かった。中には、彼の写真が好きで来るのではなく、付き合いで来る人もいる。そういう人は、写真も見ないし、ステーツメントも読んでくれない。作家、ギャラリーによる、アート写真の啓蒙活動がまだまだ必要なことを思い知らされた。

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(C)Herbie Yamaguchi

次回は、2月1日からハービー・山口氏の写真展「The Big Love」を開催する。ほんとうは1月にスタートする予定だったが、1月16日から25日まで新宿のコニカ・ミノルタプラザで彼の大回顧写真展が開催されるのでそれに続くスケジュールに変更した。

1月のアート・フォト・サイト・ギャラリー(東京)は予約制となる。オリジナル・プリントやレア・ブックスをお探しの方には、個別にご提案や情報提供を行う予定。
また作家志望の人の作品を拝見する時間も多少は取れると思う。フォローアップ講座も開催したい。
なお名古屋は、1月19日から横木安良夫の巡回写真展がスタートする。こちらも是非お越し下さい。

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2006年12月17日 (日)

「Teach Your Children(あの日の彼、あの日の彼女)」写真展が終了!
横木安良夫による出版界の常識への挑戦

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12月1日から13日までパルコ・ロゴス・ギャラリーで開催した横木安良夫写真展が終了した。会期中、朝日新聞で写真展記事が大きく紹介され、読売新聞に書評も掲載され、非常に多くの方においでいただいた。通常、会期終了が近いと来場者が減少するのだが、本展では平日だった最後の数日もお客様で一杯だった。一日の来場者は平均250人を超えた。お出でいただいた方、写真集や作品を購入いただいた方に心よりお礼を申し上げたい。

今回の写真集で、横木と出版社のアスコムは出版業界の常識に挑戦した。実はいま手元に分厚い立派な写真集があるのが信じられないことだ。なんで日本では欧米のような写真中心の写真集がでないのか?それは、写真集は売れないという固定概念が出版業界に出来上がっているからだ。
実は90年代には写真集を積極的に手がける、光琳社、京都書院、トレヴィル(いまのエディション・トレヴィルは別の会社)などの出版社が数多くあった。しかし業績悪化でいまは営業を休止している。現在、売られている写真家のモノグラフ写真集は、ほとんどが自費出版か本人が買取を行う形式なのだ。出版社がリスクを負うのは、ある程度の売り上げが見込める、作家の個性を消した、ポピュラーなテーマで編集された低価格のヴィジュアル本中心。
一方で、欧米にはアート系写真集を扱う出版社は数多く存在する。彼らの考えはこうだ。写真集は製作費用がかかることから販売価格が高めで、発行部数が少ない。しかしコアのファンがついている写真家の場合、時間をかけ本当に良質の本を作りさえすればある程度の冊数の売り上げが見込める。案外リスクは限定的で利益を上げることも可能だ、というものだ。
写真集ビジネスは確かにリスクが大きい。しかし営業停止になったのは国内外どこでも、本を安易に製作し、大きな発行部数で大儲けを狙った出版社なのだ。日本にも多少高くても、コンテンツ、デザイン、装丁が優れた写真集なら購入する人は存在するはずだ。実際、洋書市場はある程度の大きさに成長している。それは、まだ少数かもしれないが、ビジネスとして成り立つ位はいるはずだ。
横木の熱い信念が出版元のアスコムの担当者を動かした。今回の出版では、横木とともに、彼に賭けて英断を下したアスコムに「あっぱれ」なのだ。

そして、この写真集自体のデザイン、たたずまいも日本では異例だ。私も、写真集出版の色々な局面に立ち会っているが、自分がすべての資金を提供する以外、写真集製作は写真家の妥協の連続なのだ。今回横木は、原耕一氏とともにほぼ自らのイメージするデザイン、ヴォリューム、装丁のものを作り上げた。いま日本で売られている写真集に、写真家は不在だ。つまり写真は素材で、デザイナーがマスに売れるような体裁を整えているものがほとんどだ。しかし、彼の本は写真が主役。余計なデザインは排除され、余白部分を有効に生かして写真を引き立てようとしている。良いヴィジュアルからは音楽が聞こえてくる、と誰かが言っていた。この写真集には時代の空気とともに音楽も閉じ込められている、ページをめくると曲が聞こえてくる。まちがいなく世界に通用する高いレベルの写真集に仕上がっている。
直木賞作家の角田光代氏は写真に触発されたショート・ストーリーを書き、トークショーにも出演してくれた。トークショーに協力いただいた、田中長徳氏、ハービー・山口氏、藤代冥砂氏、安珠氏も同様だ。リリー・フランキー氏は本の帯にメッセージを寄せてくれた。今回、自分の作品と考えを妄信して行動した横木に周りの多くの人が動かされた。写真展でパルコに来てくれた人にもその思いは伝わっていたようだ。あとは彼の熱いメッセージが広く一般のお客様に伝わるかどうかにかかっている。「自分の後に続く写真家のためにも、この写真集が売れて欲しい。」トークショーで横木が何度も参加者に訴えていた言葉だ。

2007年1月19日から3月3日まで、パルコで行った写真展が名古屋のギャラリー・オーチャードに巡回します。中部圏にお住まいの方はぜひお出でください。

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2006年12月 4日 (月)

横木安良夫 待望の写真集刊行!!
記念写真展の見所

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12月1日から横木安良夫の写真集出版記念展が渋谷パルコのロゴスギャラリーで開始された。詳細は横木氏がブログで書かれているのご参照いただきたい。
http://alao.cocolog-nifty.com/the_eye_forget/

本展はアート写真の視点からも興味深い見所がある。
会場には、ヴィンテージ・プリント、モダン・プリント、デジタル・プリントの3種類のプリントが展示されているのだ。

・貴重なヴィンテージ・プリント
会場入り口側の壁面に参考展示している銀塩写真6点は、横木が約30年前の写真撮影時に自らの手でプリントした作品だ。アート写真の世界ではヴィンテージ・プリントと呼ばれ非常に高価なものだ。欧米でアート写真市場が成立したのは80年代。それ以前は誰も1枚の写真がアートとして売買されると想定していなかった。たぶんプリントするときも正確なデータ保存に対するこだわりがなく、時間経過すると解釈が変わることも多かったようだ。それゆえ撮影した時期にプリントされたものは写真家の感覚が、一番反映されていると、有力コレクター、美術館に珍重されているのだ。

・お手頃なモダン・プリント
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会場奥のこの壁面に14枚展示している銀塩写真は、横木が1967年~1975年に撮影したものを、本展のために2006年にプリントしたもの。撮影時の感覚を作家が再解釈して新たに制作したものだ。アート写真の世界では、モダン・プリントと呼ばれている。値段もヴィンテージ・プリントと比べて割安で一般コレクター向けの写真作品だ。しかし、制作するエディション数が決められており、人気の高いイメージは値段が上昇する。
横木の銀塩モダン・プリントは、11X14インチサイズ、作家のサイン入り、エディション30枚、1~10枚は52,500円(税込み)、11枚以降が63,000円(税込み)。半切サイズのフレームは別売り。
彼の作家デビューは2006年。最初はデジタル・アーカイヴァル・プリントの作品のみ制作していた。本展で作家として初めて銀塩プリントを発表した。彼は商業写真家としての輝かしい実績はあるものの、アート写真の作家としては新人となる。設定した値段が割安なのはそのためだ。横木の作家としての将来を信じる人には間違いなくバーゲン価格だ。

・デジタル・アーカイバル・プリント
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使用インク(顔料系)や無酸紙にこだわり、専門家による厳しい管理下で制作されるデジタルプリントのこと。銀塩写真なみの耐久性があると言われている。本展のメイン壁面を飾っている膨大な写真作品はすべてデジタル作品なのだ。
なお写真集「teach your children」収録イメージはすべて、デジタル・アーカイバル・プリントでご購入可能。(*特装版写真集の付属イメージを除く)コレクターはもちろん、アート写真のご購入経験のない人にもお勧めします。
デジタル・アーカイバル・プリントはA3+サイズ、作家のサイン入り、特別フレーム入り、エディション50枚、1~10枚は18,900円(税込み)、11枚以降が31,500円(税込み)。代表作の、アメリカ国旗と車のイメージは11枚以降となる。それ以外はまだ10枚以内だ。

上記の複数種類の写真作品が同時展示していることはあまりない。ぜひ会場で、ヴィンテージ・プリント、モダン・プリント、デジタル・アーカイヴァル・プリントとを見比べてほしい。私は、夕方から夜にかけて会場にいるので、何か質問などがあれば気軽に声をかけてください。横木もほぼ毎日会場にいて写真集に気軽にサインしてくれる。なお、トークイベントがない日の夜には、スライドショーをゲリラ的に行う予定。

ロゴスギャラリーのホームページも併せてご覧下さい。営業時間などが確認できます。

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