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2007年4月18日 (水)

パメラ・ハンソン写真展開催
元気になる笑顔の写真!

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今回はファッション写真家パメラ・ハンソンの2回目の写真展になる。前回はなんと約15年前の1992年、ギャラリーが広尾にあったときに開催している。当時は、ブリッツ・ギャラリーだったが、覚えている方はいらっしゃるだろうか?
彼女の写真は、笑顔一杯の愛くるしいカップルや明るく健康的な女の子のスナップ的なイメージで知られている。ポストカードやポスターに数多くなっているので見たことがあるだろう。2000年には写真集「Girls」が刊行されている。(すでに絶版)

彼女の作品の一貫したテーマが「笑顔」なのだ。なぜそれが大事かというと、笑顔で接してもらった相手はその人のことが好きになり色々な面で応援してくれるようになるからだ。しかめっ面した人とはだれも深くかかわりたくない。 つまり、笑顔の人は魅力的で元気をもらいに人が集まってくるのだ。世の中の成功者は成功したから笑顔が絶えないのではない、どんなときでも笑顔でいられたから人生に勝利したのだ。
しかし、「自分の自己重要感が満たされていないと、笑顔で人に接することができない」と禅僧が本で書いていた。実際、現代人は笑顔を忘れているどころか、多くのひとは口をへの字にしている。笑顔は自然にでてくるのではない。自分で精神状態をコントロールし、かなり意識的に行うことが必要なのだ。ちょっと複雑になるが、それが写真展タイトルの「ボーイズ&ガールズ」に関わってくる。
これは単に若い男女を指しているのではない。パメラ・ハンソンが言いたいのは年齢ではなく精神的なこと。「何歳になっても決して諦めることなく、少年、少女の気持ちを失わずに目的を持って挑戦し続けることが必要。みんな永遠のボーイズ&ガールズでいなければならない」、というメッセージなのだ。彼女の写真の笑顔はその象徴なのだ。つまり、ハービー・山口写真展の解説でも述べたが、この厳しい競争社会では、自分らしい目標が明確にあってそれに挑戦することが必要なのだ。そんな人は将来に希望があるので、辛いときでも意識的に笑顔で回りの人と接することができるということだ。未来に失望した人は意識的にしろ笑顔でいることなどできない。しかし、ずっと忙しくしているとそんな希望のことを忘れて顔が次第に引きつってくるもの。パメラ・ハンソンの写真はそんな視点が狭くなった現代人に、笑顔や、目標を目指すことの重要さを思い出させるきっかけを与えてくれる。だからパメラ・ハンソンの写真を見ると元気になるのだ。

本展では、モノクロ、カラー作品35点が展示中。
前回はかなり笑顔中心の展示だったので、今回は彼女の世界観が理解されていることを前提に、80年代~90年代の時代性が表れている写真を中心にセレクションしています。
6月16日(土)まで開催。ゴールデンウィークは5月1日~5日までは休廊。

詳細は以下でご覧いただけます。
http://www.artphoto-site.com/gallery_exh_072.html

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2007年4月17日 (火)

「アートフェアー東京2007」で感じたアート写真のいま、市場は日本人作家を求めている

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先日、東京国際フォーラムで開催中の「アートフェアー東京2007」へ行った。
98の業者が参加して、古美術、日本画、洋画、現代アートまでを展示販売する日本最大の見本市とのことだ。写真関連では関西のアート写真、現代アート系ギャラリーの、ピクチャー・フォト・スペース、アウト・オブ・プレイス、ザ・サード・ギャラリー・アヤ、MEMなどが東京圏の顧客獲得を目指して出展していた。東京圏のギャラリーは現代アート系のギャラリーが一部写真作品も展示していた。柴田敏雄の巨大作品などが印象的だった。
午後に訪れた会場内はそこそこの混雑。しかし多くは関係者や招待客で、一般客は年配の方、学生が多い印象だった。
開催期間が平日の3日間なので仕事を持つ人は訪れ難いだろう。何人かの関係者に話を伺ったが、やはり写真を求めに来る顧客数は少ないとのことだ。また日本での知名度が低い外人作家の場合、海外相場がなかなか受け入れられ難いという話も聞いた。要は、1枚の写真の価値を自ら判断する相場観を持たない人が多いということだ。また欧州作家の場合、ユーロ高により価格が上昇して困るという話も聞いた。実際に売れていたのは、ロバート・メイプルソープ、ロレッタ・ラックスなどの有名作家で、それ以外の外人作家の動きは鈍いようだった。

アート・フェアーは既に資産価値が認められた作家の作品を業者が持ち寄る傾向が強い。限られた展示スペース、短い開催期間で経費を回収し利益を上げるためには仕方ない。つまり有名作品がワンプライスで売買されるセカンダリー市場なのだ。海外では勝負のキーはどれだけ優良な在庫を持っているか。つまり資本力が物言う世界になる。日本ではアート写真市場の歴史が浅いので、国内作家で資産価値がある人は非常に少ない。どうしても有名外人作家の販売が中心になる。昨今の強気の海外市場や、円安などで良い作品の新たな在庫手当は容易ではない。またどうしても販売価格は高くなってしまう。もし過去の在庫品の掘り出し物があれば購入しようと思っていたが、相場が強い現在ではそのような写真作品は見つからなかった。

国内のアート・フェアーで写真が本格的売れるようになるには、ギャラリーの店頭市場で日本人作家が育つことが必要だ。それまでにはまだ時間がかかりそうだと感じた。私たちアート写真に関わるギャラリーがもっと作家開拓の努力しなければならないことを痛感した「アートフェアー東京」だった。

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2007年4月13日 (金)

ハービー・山口のオリジナル・プリント

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終了したハービー・山口写真展の展示風景

昨日、写真展でご注文いただいた分のハービー・山口、オリジナル・プリントが無事に完成しギャラリーに納品された。予定外に時間がかかってしまい多くのお客様を大変お待たせして申し訳ありませんでした。

今回の写真展には多くのプロ写真家の方も来廊された。専門家の意見で多かったのが、ハービー氏のモノクロ写真の完成度の高さだ。彼は同業者の中ではミュージシャンの写真で有名。どうもプリント技術に関しては上手いというイメージを持たれていなかったようなのだ。また、一般の多くのお客様も作家自身がプリントを制作するとは考えていなかったようだ。
いつかプロの熟練プリンターに、モノクロの焼きの巧拙は先天的な黒と白の認識の能力で決まる、勉強したりして上手くなるものではない、という大胆な意見を聞かされたことがある。ハービー氏は楽しみながらプリントをされている印象が強い。今回もかなりの数のオリジナルプリントをお願いしたのだが、作業モードにいったん入ると比較的短時間で仕上げてくれた。たぶん、自分のイメージ通りのプリントが作れる優れた黒と白のセンスを持っていて、制作作業に喜びを感じられているのだろう。納品いただいたプリントはどれも素晴らしい完成度だ。
いまや写真家本人がプリントする例は世界的にも少なくなっている。デジタルとの一番の違いは作家の作品への思いがプリントに込められていることだと思う。お客様も必ずや満足していただけると確信しています。

現在、ブックマット加工とフレーム制作が進行中。来週の中ぐらいには発送準備が整うと思う。ご購入された方々はどうかもうしばらくお待ちください。

ギャラリーでは現在、多くのスタッフにお手伝いただきパメラ・ハンソン写真展の準備真っ最中です。今回は展示数が35点と多いので、ギャラリースペースを多少広げました。
写真展は4月17日(火)スタートです!

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2007年4月 4日 (水)

ハービー・山口写真展が終わる

おかげさまで、2ヶ月に渡ったハービー・山口写真展が無事に終了した。本当に多くのお客様においでいただきありがとうございました。
本展で目指したのは、巷でよく言われている、"気持ちをやさしくしてくれるハービーさんの写真"のような抽象的な表現の意味合いをより明確化することだった。彼の作品に一貫して流れるのメッセージを"自分が好きになれば周りにもやさしくなれる"というキャッチ・コピーで、ザ・ビッグ・ラブ(やさしいパンクスピリッツ)として紹介したのだ。ハービー・山口写真展に来る人は滞在時間が長い。だから大体の人が写真展のステーツメントまできちんと読んでくれる。多くの来廊者に聞いたり、会場内のフリーメッセージ・ノートをみると写真展の趣旨は多くの人に自然に受け入れられたようだ。
またミュージシャンのポートレート写真家という強いイメージも払拭したかった。本展は有名ミュージシャンのポートレートをジョー・ストラマー以外全く展示しなかった。ハービー・山口の作家性を見て欲しかったからだ。お客様からその点の不満の指摘があることを想定していたが、クレームのようなことはそれ以外でも全くなかった。
2月の来廊予定日にハービー氏がインフルエンザになり急遽来れなくなる事態もあった。かなりの数のお客様がお待ちになっていたので、ギャラリーとしては冷や汗をかいたのだが、誰も大きな不満を口にだされることはなかった。作家が繰り返し伝えているメッセージがお客様へ確実に伝わっていることを目の当たりにした出来事だった。

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お客様と歓談されるハービーさん

2ヶ月間にわたりお付き合いしたことで、ハービー・山口氏の新たな魅力も発見できた。老若男女どんな人とも分け隔てなく同じスタンスで接する彼のパーソナリティーは尊敬に値すると思った。人間はどうしても社会的な地位や職業や外見で多少なりとも態度や話し方がことなるものだ。エゴの強い自慢話をする人などとはあまり関わりたくないもの。しかし彼はそんな人の中にも良い点を見つけだす。それを導く秀でたコミュニケーション能力を持っている。これこそが、撮影時に被写体からやさしい表情を引き出したり、エッセーなどで人の心を動かすトピックを見つけだすことができる秘訣なのだろう。

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ハービーさん来廊中の目印となり、"幸せ呼ぶ青いバイク"と呼ばれたハービーさんのバイク

若い写真家志望者も数多く来廊された。多くの場合、ハービー氏を囲んで青春談議、写真談議に発展した。"自分の心が求める写真をみつけて撮影すべきだ。その時の流行の写真を追うべきでない。" また自らの経験を例に出して、"世の中にはあなたに重要なアドバイスをしてくれる人がいる。しかし、多くの人は自分が意識していないのでそれらに気付かないのだ。"などと語っていたのが印象的だった。確かに人の意見を聞かない人には、誰も次からはアドバイスをしてくれなくなる。当然のこととして成長の可能性が限られてくる。これは表現者を目指す若い人には重要な指摘だと思う。
今回はギャラリーが作家のメッセージを発信する場所として機能した写真展だった。私自身も久しぶりに人生について多くのことを作家から教わった。

最後に作品を購入された方々へのお願いです。
ハービー氏がインフルエンザにかかったことから納品が当初予定より遅れてしまい大変申し訳ありません。プリント制作にはベストの精神、肉体状態で取り組む必要があります。ハービー氏はやっとプリント制作モードに入ってきました。たぶん、この1~2週間以内には
完成すると思いますので、今しばらくお待ちください。納期が決まりましたらメールにてご案内します。

4月6日(金)からはギャラリー・オーチャード(アート・フォト・サイト名古屋)でハービー・山口写真展かはじまります!中部圏の方々はぜひおいでください。5月にはトーク・イベントも予定しています。
写真展の日程、トーク・イベント詳細は以下でご覧いただけます。
http://www.g-orchard.jp/orchard/exhi.html

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