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2007年6月18日 (月)

感じて考えるファッション写真
パメラ・ハンソン写真展終了!!

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約2ヶ月間に及んだ"パメラ・ハンソン写真展・ボーイズ&ガールズ"が無事に終了した。ファッション誌など幅広いメディアで紹介いただいたおかげで、本展には非常に多くのお客様が来廊してくれた。来客数は前回開催したハービー・山口さんの写真展と同程度だった。最終日の閉廊時間近くまで人が絶えなかったのも全く同じだった。2回続けて異例の数の動員で嬉しい限りです。来場してくれた皆様、本当にありがとうございました。

作品販売の方は、1,000ドル(約13万円)という価格だったがほぼ予想通りの売り上げが達成できた。嬉しいことにほとんどがギャラリーの新客だった。来廊者が多かったので、その他の取り扱い作家の売り上げも増加した。また、今後作品購入につながりそうな個人客、コレクター、作家との新たな出会いも数多くあった。
前回も書いたが、本展は一見すると軽いファッション写真の羅列と思われるので、あえてコンセプトを小難しくしている。笑顔がトレードマークの彼女の写真を例に、人生での笑顔の意味を説き、タイトルの"ボーイズ&ガールズ"で、いくつになっても青春時代のように
人生に希望を持って生きることが重要だ、と提示した。
人によっては"新興宗教のよう...."という意見もあった、"ファッション写真を見て作品の背景を考えたのは初めてだ"とも言われた。中には本当に感動してくれる人もいた。日本人は普通自分の意見、感想をなかなか口に出さない。まして表層的イメージと思われるファッション系の写真だ。それらに何かを感じて、考え、発言してくれた人が数多くいたことは、
今回の意識的なベタなメッセージが決していまの時代で的外れでなかったからだと感じている。

写真展は6月30日(土)よりギャラリー・オーチャード アートフォトサイト名古屋に巡回します。15年前に行った前回のパメラ・ハンソン写真展は東京のみだったので、 今回は中部地方での彼女の初個展になります。詳しくは以下でご案内しています。ぜひお越しください。
http://www.g-orchard.jp/orchard/exhi.html

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2007年6月 7日 (木)

ニューヨークで評価された女子高生制服写真
小林幹幸の「エバーグリーン」

Blog_17
当ギャラリーの取り扱い作家、小林基行が最近本名の幹幸に名前を戻した。特に理由は聞かなかったが、改名したとたんに幸運なニュースがニューヨークから飛び込んだという。
スティーブン・マイゼルなどが所属する世界有数の写真レップであるアート・アンド・コマース(ART+COMMERCE)が世界で優れた写真家を選出するコンペの"PEEK2007"に選出されたとのこと。
世界中から1200名以上が応募し、選ばれたのは僅か11名、もちろん彼が唯一の日本人写真家だった。今秋には世界12カ国で写真展が同時開催されるという。彼が提出したのは2年前にギャラリーで写真展を行い、写真集にもなった「エバーグリーン」シリーズの最新作。彼のライフワークのひとつである制服の女子高生を撮影したシリーズ(一部はコチラでご覧いただけます)だった。
写真展開催時に、このシリーズは海外の方が受けると話し合っていた。それが現実となって本人も非常に興奮していた。

審査委員たちは彼の女子高生制服写真を満場一致で評価したという。なぜ、いま、ニューヨークで認められたのだろうか?私は、現代美術家の村上隆が「東京ポップ」、「スーパーフラット」、「リトルボーイ」 などを主張していることで、日本の文化状況がニューヨークのインテリ層にかなり浸透している影響が大きいと直感した。特に2005年にジャパンソサイエティーで開催された「リトルボーイ」展は大成功で、英訳が付いたカタログも売り切れがでるほどだったことが知られている。写真家の出身国の社会文化状況を審査員が知らないと作品の評価軸を持ち難い。米国で日本のサブカルチャー・アートへの関心の高まりは小林に非常に有利だったと思う。
村上の戦略をごく簡単に説明すると、西洋的なアートの価値観を枠組みにしつつも、可愛い、おたく、で象徴される、戦後日本文化の特徴である、アマチュアっぽさ、子供らしさをアートの活力として使おうとするものだ。小難しい村上の理論を正確に理解する外国人はそんなにはいないだろう。しかし、間違いなく彼の主張しているいくつかのキーワードは意識されているはず。
実は小林の写真には、上記要素がかなり含まれている。可愛いや、おたく文化の象徴である制服の少女をモチーフに欧米作家と同じアプローチで作品に仕上げている。彼の写真は日本で氾濫する制服少女写真とは明らかに一線を画している点が重要。男性の持つ少女イメージだけではなく、女性の持つ少女文化のピュアーさを併せ持つのだ。彼の写真のファンは案外女性が多いのだ。
それに外国で最も知られている浮世絵の美人画のイメージと重なり合うことは想像に難くない。現代日本文化のエッセンスを含んだ、写真による現代の美人画作品という解釈が今回の選出の背景に多少なりともあるのではないだろうか。

10月には彼の作品がニューヨークをはじめ世界各国で展示される。外国のアートコレクターたちからどのように反応が返ってくるか、本人以上に私も楽しみにしている。彼の作品は海外で先にブレイクするかもしれない。

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