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2007年12月15日 (土)

気をつけろ!
「惨めなオヤジ」に見えるギャラリスト

Blog
フラワーパワー展開催中のギャラリーにて

ギャラリーには資料として国内外の膨大な数の写真集、カタログ、雑誌があり、日々その数は増加していく。収納スペースも限りがあるので年末には雑誌類だけは資源ごみ回収に出すことにしている。
先週末に悪戦苦闘して行った整理整頓では資源ごみが台車1台分にもなった。目黒区下目黒地区のごみ回収時間期限は午前8時まで。寒い中、トレーニングパンツとフリース姿で台車を押して回収場所へ向かった。ちょうど通勤、通学時間に重なり、前からダークスーツを着込んだビジネスマンの父親と私立小学校の制服を着た男の子が通りかかった。通り過ぎざまに男の子が発した一言が胸に刺さった。
「惨めなオヤジ・・・」。

なぜかこの男の子の発言に怒りは沸いてこなかった。これはもしかしたら昔の自分ではないかと思ったのだ。私はサラリーマンの家で育った。大学卒業後はサラリーマンになった。
ギャラリー業務を始めて驚いたのは、世の中には本当に色々な個性的な人間がいることだ。ビジネス社会で個性的とよばれる人はあくまでも会社や業界という共同体の枠組みの中での個性。そしてサラリーマンでいる限り、定年までずっとある程度限られた種類の人間としか付き合いがない世間知らずで終わるかもしれないのだ。
私は会社を辞めて初めて世の中には自分の知らない世界が広がっていることを学んだ。

ギャラリーの仕事の面白みのひとつは色々な価値観を持った人に出会うということだろう。特に大組織に属さないで成功した作家の発想は自由で魅力的だ。しかし彼らはだいたいどこか不健康そうに見えて、世間一般でいう怪しい格好をしている。現代社会では外見が重要だが、能力に自信があれば他人の目はあまり気にしないのかもしれない。
顧客もまったく同じだ。飾り気のないカジュアル・ウェアーを着た人が、ブラック・カードで作品や写真集を購入されることなど何回も経験している。当たり前だが色々と会話をしてみないとその人のことはわからない。特にアートを買う人は個性的な人が多いと感じている。だから、ギャラリーでは外見だけで人を判断することは絶対にしない。

作家や顧客の外見は個性的だが、一方でギャラリー関係者は世界中どこでもきちんとした身なりをしている。スーツ、ネクタイも珍しくない。高級デパートと同様で、日用品ではない高額作品を扱うので、服装で変な印象を与えてはいけない面があるのだ。
しかし、長く同じ仕事をしているとどうしても気が緩んでラフな格好をしてしまう。男の子の素直な言葉を思い出して、少なくともギャラリーにいるときは、「惨めなオヤジ」に見えないような格好を心がけないといけないと自戒の念を持った。

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