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2009年2月17日 (火)

NAOKIギャラリー・トーク
初めて語られるアーティスト宣言の背景

Blog

2月15日に現在開催中の写真展「渋谷・カワイイ・スタイル」のイベントとして、写真家NAOKIのギャラリー・トークを開催した。広告やファッション誌中心に活躍していたNAOKIは数年前にアーティスト宣言を行って本格的に作家活動を開始した。彼はもともとアート志向が強かったが、今までは商業写真中心の日本ではあえて自己表現は追及してこなかった。しかし、昨今のデジタル化進行や景気後退などの外部環境の変化で、写真家自らが主体的に写真表現していかないと生き残れないという気付きがあった。これがアーティスト宣言の背景のようだ。彼の主張をきいて1980年代の米国の状況を思いだした。当時の写真家は長引く不況で雑誌や商業写真での生活が非常に厳しかった。この時期にちょうどアート写真市場が立ち上がったこともあり、多くの写真家がアートの世界にシフトしていった。結局、そこで写真家としてのオリジナリティーが明確化できた人が生き残ったのだ。今回のギャラリートークで、NAOKIがアートで何を目指しているか、その一端が垣間見れた気がした。
以下にトークの内容をまとめてみました。

2月15日NAOKI トーク(ブリッツ・ギャラリーにて)

・幼少時代
4歳のころ幼稚園で観たある「記録映画」が心に残り、家で何度もその映像を思い出して絵に描いた。その絵を母親が観て褒めてくれた。やんちゃだったのでいつも怒られてばかりいた自分にとって、母親に褒められたのははじめてだった。何より母親が喜んでくれたことがとても嬉しかった。
それがアート(表現すること)に関わった第一歩である。また、アートは自分が良いと思えば良いという自己満足ではなく、人を喜ばすこと・人とのコミュニケーションであること、=エンターテイメントであると考えるようになったきっかけでもあった。
後に広告や雑誌の仕事を行うようになっても、いつもFine Artであることを意識していた。

・ミラノ 80年代
Fine Art を志してアメリカで学んでいた70年代にあるきっかけで写真に出会った。その後一時住んでいたギリシャで出会ったモデルにミラノ行きを勧められミラノへ移り住んだ。当時のミラノは世界中のアーティスト、最先端のファッションが集結していた。ミラノではモデルの写真を撮ってお金をもらい生計をたてていた。
展示作品はそんな当時の代表的な作品群だ。一人の女性を光が変化する中で様々なアプローチで表現したカラー作品だ。複数のフィルターを使い、様々な技術を駆使して撮っている。そのようにしながら自分のスタイルを模索しオリジナリティを生み出していった。
オリジナルでない写真家には仕事がこない。それは当時もいまもまったく同じだ。

・90年代
帰国して6-7年たった頃、東京の自分の回りのランドスケープを撮り始めた。ちょうどその頃、江角マキコさんが自分の写真を撮って欲しいと事務所に出入りしていたこともあり、同じ東京のシーンにモデルを入れて撮るようになった。撮りためたものを後に写真集ORDINAL としてまとめた。形のあるものに残してほしいといモデルの女の子からの強いリクエストも後押しした。
撮影ルールは、身近なランドスケープであることと、夜明けに撮ること。夜明けにとる理由は、夜明けは「見る」という強い意識がないと見えないからだ。「見えている=見ている」ではない。自分にとってのFine Art は、さまざまな「見えていないもの」を表現した結果だ。
プリントの技法はポラネガを使用。プリンターはロンドン時代からお願いしている一流の英国人プリンターによる。サラ・ムーンのプリンターと同じ人だ。欧米では一流のプリンターに制作してもらっていることが写真家のステイタスなのだ。

・21世紀 DOUBLE
スタジオで撮影しているのはフィルム(Cプリント)。ストリートはデジタルなど。モデル、スタイリングなどのディレクションは全て自ら行っている。撮影場所はすべて自分の知っている場所。渋谷、目黒などが多くだから渋谷・カワイイ・スタイルになった。タイトルのDOUBLE についてだが、DOUBLEもコンセプトのひとつ。2人、表と裏、右と左、白と黒、愛と憎しみ・・・のような意味で、相反するもの、いろんな対極を表現したいと思っている。表現上も1人より2人のほうが広がりがある。最初から2人を撮影するイメージを持っていた。

・モードとカワイイ
外人モデルを撮るのが100%だったころ、外国で「何故日本人を撮らないのか」と聞かれその後自問するようになった。また、VOGUE 、ELLEなどの日本版、日本の雑誌なのに外人モデルが中心なのも疑問に思うようになり、日本人を撮りたいと思うようになった。
外人モデルを撮影したものはファッションだがモードではないと思う。モードとは、ファッション(流行、洋服)とは異なりカルチャー・文化背景を撮影することだ。日本人カメラマンが日本で日本人モデルを起用して日本人に似合うファッションを撮ることこそモードだ。それこそ一般の日本人がリアリティを感じるのだ。(外人モデルだと一般の人にとっては雲の上の違う世界のようでリアリティがない。)そして、いまの自分にとって100%カワイイということがモードなのだ。(DOUBLEのカワイイ衣装は外人モデルに着せてもまったく似合わない。)DOUBLEは、自分がモードとして撮影している作品だ。
日本人、外人、という言葉が出たがハーフはどうなるだろうか?DOUBLE でも起用しているアンジェラというモデルがハーフだ。ハーフの人たちは自分のアイデンティティーをものすごく考えている。アンジェラはハーフだが、日本のカルチャーを持っているモデルなので起用した。

・デジタル作品について
近年良く使うようになった。レタッチもかなり行っている。
自分にとっての表現手法は、写真でなければいけない理由はない、カメラにこだわっているわけでもない。ただ、自分の考えている世界観を表現し、人を喜ばせたいと思った結果デジタルも使うようになった。大きい作品を制作したのも同じ理由だ。自分が思い描いたイメージにできるだけ近い作品を作ることが重要で、そのための方法としてデジタルを取り入れているのだ。夜間の撮影などはフィルムでは表現しきれない部分がある。

・その他  日本のファッションについて
日本人は、誰が教えたわけでもないのに、幼い頃からずば抜けてセンスが優れていると思う。ユニクロなどの一人勝ちを除くと洋服は売れない時代だ。渋谷の109などは数少ない服が売れている場所だが、それはマーケティングなどではなく一般の優れた女の子のセンスを生かして商品化しているからだ。それらのファッションを外国人デザイナーが取り入れたりしている。今こそブランドよりも私の考えるモードが問われている。物まねではなく、自分達のかっこ良さを見直すべきだ。

NAOKI 写真展は、3月21日まで開催しています。また、3月15日にはNAOKI ワークショップ 「ファッション写真の現場:スタジオ・ワーク」を開催予定です。NAOKIが毎日撮影している自然光プライベート・スタジオで行うワークショップです。詳しくは以下をご覧ください。
http://blitz-gallery.com/gallery_exhi_092.html

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コメント

Naokiさんご無沙汰です、奈良高校時代の二朗です、
ある事から個展の記事を拝見 懐かしく思い出しました、今僕は木曽の御嶽山の麓1200mにアトリエを構えて暮らしています。またね〜!  Giro

投稿: Giro | 2010年12月10日 (金) 10時45分

Different people in every country take the loan from different banks, just because that's comfortable.

投稿: DeanneROBERTS25 | 2013年7月10日 (水) 17時31分

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投稿: aoa | 2013年12月26日 (木) 22時35分

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