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2009年9月15日 (火)

トミオ・セイケ新作「Eighteen month」
いよいよ世界初公開!

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(C)Tomio Seike

2009年秋は、トミオ・セイケの「Eighteen month」でスタートする。これは2006年の「Glynde Forge」以来となるファン待望の新作となる。舞台は英国サセックス州にある築400年以上のコテージ。終の住処としてそのコテージを購入したが、病に冒され僅か18ヶ月しかこの地で暮らせなかった女性の思いをカメラで紡いだ作品だ。                  彼の作品はほとんどが欧州で制作される。作品の主要コレクターたちが欧米在住なのだから致し方ないことだろう。従って撮影された場所の情報や歴史文化を知らない人には作品背景が理解しにくい点があると思う。そのため、日本人コレクターはどちらかというと写真技術、作品の持つ雰囲気、プリント・クオリティーを愛でることが多かった。実際にセイケをライカ・マスターとして尊敬している人が日本では多いのではないだろううか。
新作でセイケは、「限りある人生を」という普遍のテーマを明確に出している。撮影された英国南東部サセックス州のことを知らない日本人オーディエンスでもメッセージが明快に判る作品だ。これは、20代の女性の成長と変化を写し撮った80年代の「ポートレート・オブ・ゾイ」以来だと思う。実はこれはいまでも日本で人気の高いシリーズ。今回の新作も「ゾイ」同様に日本人に広く受け入れられるのではないかと期待している。
私の個人的な感想だが、新作は彼の1992年の代表作「Paris」に近いという印象を持っている。彼は欧州の芸術の都パリの歴史をベースに撮影している。その上に積み重なってくるのは、ブラッサイ、ケルテスなどの写真家たちがこの地で活躍した痕跡なのだと思う。それらの歴史の積み重なりを無意識化した上で、彼は意識的に現代のパリに立ち向かい撮影したのだ。伝統的な手法で制作された、写真史の流れとつながっている作品であることが欧米市場で「Paris」の評価が高い理由だろう。
新作では、築400年以上のコテージがベース。そこにわずか18か月しか住めなかった女性の気持ちが積み重なっている。それらに彼の思いを乗せて制作されている。人間の一生には限りがあることなど誰でも知っている。しかし、忙しい生活をしている現代人は人生は永遠と妄信しているかのようだ。釈迦は誰にでも、3つの奢りがあるとしている。それは、若さ、健康、生きていること。そしてこの奢りをなくすことが迷いを断つ方法としている。「Eighteen month」はそんな当たり前のことを思い起こさせてくれるきっかけを作ってくれると思う。

写真展のプレス・リリース(pdf)

○ご案内
なお本展では、セイケ氏が自身のブログで作品の紹介を毎日1点ずつ行うことをご提案いただいた。展示作品は23点になるので、毎日ではないが会期中の23日にわたり更新していただく予定だ。リアルの写真展とウェブとが融合する新しい試みになると思う!
セイケ氏のブログはコチラです。是非ご覧ください。

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