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2009年9月 8日 (火)

夏休みの旅
那珂川町馬頭広重美術館

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夏休みは出来るだけ行ったことのない地方を旅することにしている。東京でずっと生活していると自分の行動範囲がどんどん狭くなり、自分の頭のなかの世界しか存在しないように感じてくる。次第に、世界は想像可能な都心と郊外しかないように思えてくるのだ。それでも自分は世の中のことはほとんど知っていると信じ込んでいるのだ。都市部と地方との文化の違いや問題点もステレオタイプ的な把握しかできなくなる。アートに関わる人間としてこのような思い込みほど危険なものはない。だから世界は自分の想像をはるかに超えた広がりがあることを再確認しに旅にでるのだ。

今年は栃木県の那珂川町馬頭広重美術館や会津柳津へ行ってきた。最初に訪れた広重美術館は有名建築家の隈研吾氏が設計したことで知られる、屋根や壁面が地元の八溝杉による格子に包まれたモダンな建築だ。カーサ・ブルータスなどで紹介される一方、男性誌、ファッション誌のロケで頻繁に使用されていることが、館内に置かれていた数多くの掲載誌で判った。
私はミーハーなので、どちらかというと建物を見るために行くことにした。ここでは寄贈された歌川広重の肉筆画および版画の個人コレクションを核に所蔵、展示している。開催中だったのは企画展「浮世絵に描かれた動物たち展 -珍獣・猛獣・いやしのペット-」。
建物目当てだったので、展示にはあまり期待はしてなかったのだが、ペットや動物を通し江戸、明治の気分や雰囲気伝えている優れた企画だった。都市部の美術館で行われる、現代写真家の写真展よりも見ごたえがあった。やはりアートの長い歴史の中で生き残っている浮世絵には、いまだ歴史的評価が未確定の写真家による作品よりも見る側がリアリティーを強く感じるのだろう。
現代アートでは、村上隆のスーパーフラット理論のように、浮世絵が現代の作品とつながっていることを強調する人も多くいる。浮世絵は風俗画とも呼ばれていたそうで、本展ではそれらがスナップ写真やファッション写真的な役割を果たしてことがよくわかる。
浮世絵は、技法では現代美術との関連はあるものの、被写体との関係性では写真とのつながりが強いと思う。
写真が発展したことで衰退していった経緯があるので、両者の関わりはあまり語られなかった気がする。浮世絵は外国人コレクターも認めている日本の伝統的アート。アート写真の世界でも、浮世絵とのつながりを意識したテーマやコンセプトの構築は出来ないものかと考えてしまった。
次回展は9月中旬より、「江戸のMODE -浮世絵美人の総合ファッションガイド-」とのこと。これはファッション写真を研究する私にとって非常に興味のある企画だ。

すこし遠いが気持ちよいドライブコースなので時間があれば再訪したい。今回は自分の知識不足を強く感じたので、次回はもう少し深く勉強してから行きたいと思う。

・那珂川町馬頭広重美術館
http://www.hiroshige.bato.tochigi.jp/batou/hp/index.html

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