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2009年11月17日 (火)

(コレクション・ガイド)
ギャラリーのようなインテリア
アート写真のある空間

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写真の飾り方を紹介した書籍"Photos Style Recipes"

外国のアートコレクターは、部屋中に自分のコレクションすべてを飾る人が多い。キャリアの長い人のお宅を何件か訪問したことがあるが、リビング、ベッドルーム、書斎、廊下はもちろんトイレにも展示してあった。まるで、ギャラリーかミュージアムに住んでいるような感じだ。
また、アメリカのインテリア雑誌をみているとリビングなどの広い壁面があるスペースに集中してアートを飾る人もいる。壁の床から天井に近い部分まで全面を使い、様々なサイズ、素材のフレームのアートををアットランダムに展示している人もいる。非常に高度なコーディネーション感覚だと感心する。そして、有名写真家のオリジナルプリントのなかに、自分が撮影したお子さんのポートレートが混じっていたりするから恐れ入る。
このように書くと、現代アート作家ウォルフガング・ティルマンスの個展風景を連想する人もいるかもしれない。しかし、彼のように余白スペースを生かすというよりも、壁面をフレーム入り写真で埋めていく感じだ。米国人写真家ブルース・ウェバーも複数のサイズ違いの額装作品を壁面にちりばめる展示方法を個展で取り入れている。

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写真集"Chorus of Light"

たぶん、作品展示の極め付きがミュージシャン、エルトン・ジョンの写真コレクションだろう。彼は世界有数のアート写真の個人コレクターと呼ばれており、2000年には、米国アトランタのハイ・ミュージアム・オブ・アートという美術館で自身のコレクション展を開催しているほどだ。(杉本博司、トミオ・セイケなど日本人作家も含まれている。)
「Chorus of Light」という開催時に刊行された写真集には、コレクションで床から天井まで埋めつくされたアトランタのアパートメントのイメージが多数紹介されている。ホワイト・ゴールドの特注フレームなどを使用し、壁面カラーや家具類とのトータル・コーディネートが考えられた上で展示されている。 あ!これこそは写真コレクターの夢の館だと、私は思ったものだ。

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写真集"Chorus of Light"から、

一方で日本人コレクターは、気に入った何点かを展示して残りを大事に保存していることがいまだに多い。床の間に掛け軸を季節ごとに掛けかえる伝統の名残かもしれない。アート作品は生活に潤いを与える、というようなありきたりな表現は好きでないが、私はアートは壁面に飾って、ともに生活するものだと考えている。優れたアートは自分自身を見つめるきっかけを提供してくれる。それは、壁面に展示して一緒に暮らすことで初めて明らかになるのだ。

外人コレクターたちは、どうも次に作品を展示する壁面を意識してギャラリーに来るようだ。壁のスペースに、欲しいアートをイメージするのは自らを知ろうとする行為ではないだろうか。自分のまわりの生活空間をゆっくりと見渡して欲しい。もしなにか物足りない感じがしたら、 そこにはアートが必要なのかもしれない。そのような意識でギャラリーを訪問すると、見る行為がより楽しくなる。自分の意識の延長上にアートを捉えられるようになり、自らの感覚にあった作品と出会うことができるのだ。そのような一連の行為を通してアートは生活に潤いを与えてくれる。

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受信: 2009年11月29日 (日) 09時33分

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