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2010年1月12日 (火)

アート写真の鑑賞ヒント
駅ナカ書店での本探し

Blog
現在開催中の写真展では、入り口を入って右奥(写真左奥)に
解説文が掲示してあります。


出張のときなど、新幹線の中で読む本を駅ナカ書店でさがすのが習慣になっている。なぜだか普段よりも面白い本に出会う確率が高い気がする。だいたい駅ナカ書店は小規模で本の品揃いも少ない。何でこのような傾向があるのか不思議だった。色々と考えてみたが、たぶんこれは私の意志と注意力の問題ではないかと思った。休日に大きな書店を時間の制限なく回っていても面白い本とはあまり出会えない。そんな時はあまり気持ちが入っていない時なのだ。しかし、新幹線の発車までの限られた時間という制限と、移動中に時間を有効に使いたいという気持ちがあると、本のコンテンツを読み解こうという集中力が違うのだろう。

意志や注意力は、アート写真の鑑賞時にも重要な役割を果たす。集中力を高めないと、作品を見て真に感動することはできないのだ。ギャラリーでゆっくりと時間をかける人はあまり集中して作品を見ていないのではないか。美術館での鑑賞と同じように、アートのある空間で時間を消費することに重きを置いているのだ。これは気分転換の効用はあるだろうが、アートの面白みを真に体験していないと思う。

どうすれば、集中力を高めて作品と真剣に向き合えるのだろうか。
お勧めする方法の一つは、時間がない時の駅ナカ書店での本探しと同じように、写真展で作品を購入しようという気持ちで接することだ。会場内にあるプライス・リストで値段を確認してから作品を見てみよう。それだけでも感じ方がかなり違ってくる。そして鑑賞にあまり時間をかけないことも重要だ。人間の集中力は長時間は継続できない。だからギャラリーで実際に作品を買う人は非常に迅速に決断する。思い悩んだ人はだいたい購入しない。
私は仕事柄多くの写真を見る機会が多いが、1点に時間をかけることはしない。写真のヴィジュアル面、テクニック面、感動面の評価は慣れれば瞬時にできるようになる。じっくりと見るときは、写真のプリント状態を確認するときだけだ。

しかし、私は見るのは早いが鑑賞前の準備にはある程度時間をかける。デザインや、タイトルだけで本を買う人は少ない。帯などの説明、目次などを参考にして内容を判断したうえで購入するだろう。これに当たるのが、写真展のタイトルであり、ギャラリー内に展示してある、ギャラリストや写真家のメッセージなのだ。これらをじっくり読んで、鑑賞する視点を明確にしたうえで写真展に臨む様にしている。特に現代作家によるアートはアイデア重視なので内容の把握が重要だ。このように集中して接することでアート写真の新たなは断面が明らかになる。自分がただ好きだった写真から、作家の深い世界観の入口が見えてくる。それがきっかけで、生きて行く上での新たな視点が発見できるかもしれないのだ。これこそがアートの真の醍醐味だろう。

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