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2010年2月 9日 (火)

写真購入者はどこにいるのか?
オンライン・ギャラリーが目指すものとは

Blog
オンライン・ギャラリー参加のセイリー育緒の作品

ここ数年、写真を販売したいという人が増加していると感じている。仕事柄、相談を受けることがとても多い。営業を始めた当初は誰もが自信を持っている。国内どころか海外でも売っていきたいと高い理想を聞かせてくる人もいる。
一方で、実際に取り組みを続けている人たちはからは迷いと戸惑いの声が聞こえてくることが多い。色々な機会で写真を発表してみたものの、反応が期待はずれで活動を中断する人もいる。買う人が求めている写真がわからないで悩んでしまうようだ。作家活動を開始してみると、自分がよいと考える作品と顧客の求めるものとの違いに初めて気づくのだ。
写真を買うのは一般人だ。ほとんどが写真を撮影しない、仕事で写真に関わらない人たちが占める。作家を目指す人と一般客との出会いはほとんどないのが実情だろう。彼らは作品制作過程で、顧客ニーズを自作にフィードバックさせる機会を持っていないのだ。念のために確認しておくが、これは顧客が求める売れ線作品を作れという意味ではない。 必要なのはイメージのマーケティングではなく、コンセプトのマーケティングだ。

写真家と最終顧客をつなげるのが、ディーラーだ。(欧米ではギャラリストも含めて、アートを販売する人はディーラーと呼ばれる。日本では販売業者といわれることも多い。)
ディーラーはコレクターの代表ととらえてほしい。口先だけで作品を評価するのではない。 彼らは作品を認めてお金を写真家に投資してくれる最初の人なのだ。アートは最終顧客とのコミュニケーションができてはじめて購入される。作家を目指すなら、まずコレクターを代表するディーラーと理解し合わないといけないのだ。

本当に様々なテイストのコレクターが世の中にいるように、ディーラーも多様である。彼らとって重要なのは自分達のテイスト、つまり好みを明確にすること。 ギャラリーは独自の趣味や視点で作家をセレクトし、それを支持してくれる顧客層を相手にしているのだ。テイストが不明確だと、情報発信力が弱くなるのだ。それゆえ取り扱い作家はかなり限定され、すぐれた作家でもテイストが違うと取り扱えないこともある。
欧米の作家志望者は自作の方向性にあったディーラーを見つけ出さないといけない。彼らが作家にあった顧客層を持っているからだ。しかしアート写真黎明期の日本は、市場規模が小さくてこれができない。多様な作家志望者と、コレクターはいるものの、それらを結びつける多様なディーラーがまだいないのだ。これが写真が売れない一因になっていると思う。

市場拡大のために、ギャラリー経営を離れて作家志望者とコレクターを結びつける方法はないかと常日頃考えていた。回りくどくなったが、その流れで出てきたのがオンライン・ギャラリー構想だ。できるだけオープンな作品発表の場を提供することが目的。ただしアートとして作品を売るには、いくつかの要件を満たしている必要がある。多くの人はそれを知らないで、自分の感覚を重視したものがアート作品と勘違いしている。それらをアートとして通用するようにコーディネーションし直して公開することも役目だと考えている。
基本ポリシーは、レビュアーの趣味による作品評価を一切行わず、評価はすべて顧客にゆだねること。参加者へのしばりもない。完成した作品で個展を開催してもよいし、国内外の他ギャラリーに営業してもらっても構わない。完成したポートフォリオを新たな可能性へのステップにしてほしいのだ。ある程度参加者が増えたらグループ展を開催する予定だ。アート作品はリアルなものなので、現物を見てもらう機会は必要不可欠だからだ。
いままで準備を行ってきたが、まだ3人の作品しか揃っていない。しかし、重要なのは作品制作過程でのフォローだと考えている。参加料で稼ぐ他のあまたあるオンラインギャラリーとはポリシーが違う。だから、個別ポートフォリオのレビューにとことん時間をかけたいし、とくに焦って公開作品を増やす気もない。実はアドバイスができる人が少ないので時間的な制約もある。
コレクターには、今までにギャラリーで取り扱われなかった多様な表現と出会える場になってほしい。ライフワークとして作家活動を行っている人には、キャリア上の短期~中期目標になるようにと願っている。

オンラインギャラリーは、以下でご覧いただけます。
http://www.artphoto-site-g.com/

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