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2010年6月 1日 (火)

インテリアとしての写真作品
Tokyo Lifestyle Photo

Blog
展示作業中の会場

Interiorlifestyle Tokyo という、インテリア・雑貨関係の人を対象にした国際見本市が6月2日~4日に東京ビックサイト 西ホールで開催される。非常に大きな規模のイベントなのだが、今年からその一部でTokyo Lifestyle Photo - Living with Photography - が行われる。これは、インテリア・ショップとギャラリーが集結して「写真と暮らす」という新しいライフスタイルを提案する試みだ。小山登美夫、タカ・イシイ、ツァイト・フォト・サロンなどがインテリア・ショップとともにブースを構える。
私どもはギャラリーとしては参加しないが、Style Meets Peopleというモダンな高級家具とインテリア雑貨を扱うショップのブースに写真作品を提供。昨年に行った写真展「ムーンスケープ」が好評だった高橋和海の、120X150cmの大判作品2点と、20X24"作品4点を展示している。

日本ではまだ写真は美術品として広く認知されていない。90年代と比べて状況は改善したものの、まだ市場規模は小さい。いままでギャラリーは写真のコレクター層を広げる努力をずっと行ってきた。しかし、これがなかなかうまくいかないのだ。購入経験がない人はアート写真価格の相場観を持たない。たとえば、10万円代と言えば欧米市場では低価格帯作品になるのだが、初めての人にはその値段が高いか安いかの判断が下せないのだ。アート写真先進国の米国では、写真価格が安い時に市場が立ち上り、市場拡大と並行して値段が上昇していった。高額作品が最初から売れていたのではない。

日本でも、最初に買う人はとりあえず安いものからとなるだろう。たとえばアート写真コレクションの入り口が写真ポスターや印刷物をフレームに入れて飾ることでもよいと思う。私も最初はフレーム入りポスターだった。しかし、ポスターは印刷クオリティーが低い。 次第に本物が欲しくなってオリジナルプリントを買い始めた。
現在の日本市場での問題点は、ポスターなどの印刷物と、オリジナルプリントとに大きな価格差があることだと思う。そのギャップを埋めるために低価格のオリジナルプリントをインテリア雑貨感覚で売るのもありだと思う。敷居が高いギャラリーよりもインテリア・ショップの方が気軽に買えることもあるだろう。きっかけは何でもいい。インテリア感覚で買った人の中から、アートとして写真の魅力に目覚める人が出てきて欲しいのだ。経験を積み、良いもの、価値のあるものは値段が高いとわかればギャラリーに足を運ぶようになるだろう。

実は、アート・フォト・サイトのオンライン・ギャラリーもこれと同じような意図がある。新人だから値段は安めだが、ギャラリストが制作に関わりアート作品としての必要十分条件は満たしている作品群だ。優れたヴィジュアルと適切なコンセプトを持ったリーズナブルな写真作品で、売り上げも予想外に好調。実績がない新人にとっては、低価格作品から自らの市場を拡大していくのが現実的だと思う。

さて上記のTokyo Lifestyle Photo だ。本日、作品設営に立ち会ってきた。私の印象だと、ギャラリー系の展示ではあまり低価格帯の作品は展示されていなかった感じだ。高級家具を買う人なら、高額なアートも受け入れられるという発想だろう。
しかし、世界的な経済危機で高額アートをインテリア感覚で買う人は減少している。一方、不況でも手軽なアートをインテリアに飾りたいという潜在需要は大きいと思う。しかし、目が肥えた人たちは、優れたビジュアルとアイデアを持ったリーズナブルな価格の作品を求めている。「写真と暮らす」がテーマの本イベントがきっかけで、ギャラリーが新たな顧客層と出会うことを願いたい。

Tokyo Lifestyle Photo は、東京ビッグサイトで開催される国際見本市"Interiorlifestyle Tokyo" 内で6月2日~4日まで開催。
会場は東京ビックサイト西ホール。開催は10:00から18:00(最終日17:00)まで。

Interiorlifestyle Tokyo についてはこちらをご覧ください。

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