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2010年8月10日 (火)

商業写真ギャラリーの適正サイズを考える
広さ、場所よりも写真展の継続!

Blog
都市部でギャラリーを経営する人なら、誰もがより広い展示スペースを持ちたいと願っているだろう。私どもも、開設以来、広尾、代官山、下目黒と移設してきた。都心から離れていくに従い展示スペースは少しずつ広くなってきた。
今回、新設されたインスタイル・フォトグラフィー・センター(以下IPC)での写真展を手掛けた。ここは約50坪の広さがあり、全壁面を利用して大小様々なサイズの作品約65点を展示した。IPCは場所も一等地だし、まさにギャラリストの理想の空間だろう。
しかし、今回は、広いスペースで行う写真展のマネージメントはかなりの大仕事であることを実感した。広いことは、単に家賃がかかるだけではない。壁面を埋めるのに多くの点数か、大きなサイズの作品を用意する必要がある。作家、ギャラリーともに開催、運営コスト負担が大きくなることを意味する。商業ギャラリーは作品販売で全てのコストを回収し、利益を上げなければならないのだ。

まず、写真展の企画段階で壁に当たりそうだ。だいたい現存作家で、一つのテーマで60点以上の写真展が開催できる人はほとんどいない。質の高いポートフォリオなら20~30点くらいが一般的。一部大きな作品を入れても40点くらいだろう。今回のハービー山口展では、回顧展ではないのに一つのテーマで質の高い作品65点も展示できた。彼の長年にわたる仕事の積み重ねがどれだけ偉大なことか改めて驚かされた。

IPCのスぺースはパーテションで二つにわけることができる。その一つ分が写真展示には理想的なスペースだと思う。全てのスペース利用の場合、大判作品を制作する現代アート系作家や、キュレーターがテーマ設定を行うグループ展が合っているだろう。
現実的には、20X24"フレーム入り作品約30点が展示できるくらいが適正な商業ギャラリーのスぺースではないか。実際、日本で長年続いている写真ギャラリーはコンパクトな展示スペースを持つ場合が多い。重要なのは、場所、広さよりも、写真展のコンテンツ、そして継続なのだ。

商業ギャラリー用の不動産を借りるときには注意点がある。それは、バックヤード・スペースの確保だ。レンタル・ギャラリーは、展示ごとに作品もフレームも入れ替わる。しかし、商業ギャラリーは、作品、フレーム、資料の写真集などが次第に増えていく。ここの部分は来廊者に見えないのだがだいたい展示スペースと同じくらいが必要になると言われている。最初はあまり荷物がないことから誰しも最低限のスペースしか確保しない。出来る限り広い収納スペースを確保しておかないと、将来的にかなり苦しいギャラリー運営に直面する。私どものギャラリーが代官山にあった時は、事務所と展示会場でスペースが手狭になり、バックヤードとして別の部屋を近くに借りざる得なかった。現在の目黒のギャラリーでは、1階がギャラリー・スぺースで2階が事務所兼倉庫になっている。
レンタル・ギャラリーに比べて商業ギャラリーの立地が良くないのは、実はこのバックヤード確保の必要性があるから。家賃が高い地域では、倉庫部分への固定費負担がかかりすぎるのだ。現代アート系のギャラリーは、取り扱う作品サイズが大きいので収納スペースはさらに大きな問題だ。それゆえ、倉庫などのもともとバックヤード的な不動産のなかにギャラリースペースを構築しているのだ。

インスタイル・フォトグラフィー・センターは近日中に11月以降の会場レンタルの申し込みを開始する予定。興味のある人はぜひ写真展会場に来てほしい。
オープンは、金、土、日の午後1時~6時(金曜7時)。私はだいたい会場にいます。

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