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2011年3月 1日 (火)

横木安良夫「Glance of Lens 2011」展開催!
アイデアと感覚重視の写真への一撃!

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(C)Alao Yokogi

今週の金曜日からは横木安良夫の写真展「Glance of Lens 2011」を開催する。これは前回2006年1月に開催した「Teach your Children」の続編の個展になる。 主に80年台~最近までに撮影された作品を展示する。作家キャリア的には、前作は日大芸術学部時代から、カメラマンのアシスタント時代までの作品。本作はそれ以降のプロ写真家としてデビューしてからのものとなる。

ギャラリーは一人の作家で最低10年に3回の個展開催を考える。横木の場合は、前回から5年近く経過しているのでそろそろ展示の時期だと意識していた。今回はどのように見せるかはかなり悩んだ。前作以降は商業写真家として非常に多忙な時期。作品制作に取り組むのはかなり難しかったと思われる。それでもアジアや米国で撮影されたいくつかのポートフォリオは残っている。ただそれらを単体でいま見せるのにはやや無理があると感じていた。そんなときに、以前ポートフォリオ・セットを制作した「Glance of Lens」シリーズに添えられていたエッセーを読み直す機会があった。一読して、次回作はこれだ!と直感した。以下に転記しておく。

街を歩く。クルマに乗り、地下鉄に揺られる。いつのまにか未知の土地 を歩いている。突然、耳の奥で誰かが囁く。「シャッターを切れ」と。目の前にはありふれた風景が広がっ ている。通り過ぎる人々もごく普通だ。 「眺めてないで、早く撮れ」と命令する。カメラを構える。頭のなかは空っぽだ。「撮ればいいんだよ。わからないんだろう。だから撮るのさ」 もはや指令に従うしかない。それは潜在意識。言葉にならない「衝動」それこそが主題だろうか。カメラによって世界は断片に切り刻まれる。薄片となったそれは記憶として無限に増殖する。そして再び僕の網膜に飛び込んでくる。それこそが真実の世界なのか。  横木安良夫

彼は、写真家は撮影する行為自体をもっと大事にすべきだと主張している。いまのアート界では現代美術が市場を席巻し、写真もその一部に組み込まれた感がある。そこはアイデアやコンセプトがすべての世界。しかし、上記文章のように、横木はアイデアを生み出している自己概念そのものの存在を疑うのだ。少し小難しい言い方になるが、それは"自己"が人の内部にあって、そこから様々な判断を下しているのではないかもしれない。 自分がいるという感覚は、脳の中にある心的モデルかもしれないということなのだ。
実は、これと似たような考えは、多くの心理学、哲学、生物、宗教などの専門家が様々な文脈で語っている。過去や未来ではなく、いまに生きるという禅の思想にも通じる。
人間の生きる苦しみは自分のエゴが原因のことが多い。悩む自己が存在しないならば、何物にもとらわれずに真に精神的に自由になれるのだ。自分がいなくても起きるべきことは、ただ起きる。何事もなるようになるし、なるようにしかならない。真の創造性はアイデアやコンセプトのない時に生まれるのではないかという問いかけでもある。これは一瞬、巷で氾濫している感覚重視の写真と同じに感じるかもしれない。しかし横木の写真はそれらとは決定的に違う。なぜか、それは彼には自分の“優れたセンス”を生かして撮影しているというエゴがないのだ。彼の凄いところは写真バカになれることだ。これは言葉でいうほど生易しいことではない。能力が劣っている人ほど自らを過信しているとはよく言われることだろう。禅の修行がうまくいかない人は、バカになれないからともいわれる。「Glance of Lens」は作品テーマがないこと自体がテーマ。まるで禅問答なのだ。 横木の「レンズの一瞥」は頭でっかちで感覚重視になったアート写真への一撃でもあるのです。

本展には、過去25年に撮影されたモノクロ・カラーの代表作、未発表作約27点がセレクションされている。多くが100 X 70cmの大判プリントによる展示。大判作品は、市場では数十万円の価格で取引されている。しかし、本展での価格設定はかなり挑戦的になる見込み。100 X 70cmをフレーム込みで6万円位で販売する予定だ。

写真展は「Glance of Lens 2011」は3月4日(金)~、東京目黒のブリッツで開催します。
営業時間は午後1時から7時まで。日曜、月曜が休廊です。

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受信: 2011年3月 5日 (土) 00時06分

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