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2011年3月22日 (火)

こんな時にアートは何ができるか?
ギャラリーでは仙台出身作家の写真展を開催!

Blog
(C)Naoki Shimomoto 石巻, 2007

大きな自然災害が発生した時にアートが無力だと感じるのは当たり前のこと。震災の影響で様々な動きがアートの世界でも起きている。展覧会を中止してギャラリースペースで募金活動を行ったり、企画の延期や中止したところもあるようだ。広尾のIPCで開催予定だった、「Infnity」展も5月に延期された。写真家主催の写真展も中止、延期が散見される。
都内でもガソリン、米、牛乳、トイレットパーパーがまだ入手困難な時に高額のアート作品が売れることはあり得ない。ビジネス的にはしばらくは営業しない方が賢明かもしれない。

一方で、営業を続けているところもある。ただし、計画停電があるので、営業時間を短縮したり、節電モードでの営業だ。
ブリッツは普段1時~7時までの営業を5時までにして、節電モードで営業を継続している。当初はほとんど来廊者はいなかったが、先週末などは客足はかなり戻ってきている。
開催中の横木安良夫写真展は、彼の人生観が強くあらわれた写真展だ。「写真家にとって一番大事なのはシャッターを押すことだ。」というメッセージがが反映されている。単に綺麗な写真を展示している写真展ではない。現在のような状況で続けても特に問題がないと判断した。なお、作家と相談して本展の売り上げの一部を義援金として「日本赤十字社」を通じ、被災地の方々へ寄付することにした。

同時に、様々な人や組織が被災された地域を応援したいと動き出しているようだ。ヴェストリヒト・フォトグラフィカ・オークションは、次回開催のオークションの一部をチャリティオークションとし、その収益金を寄付することに決めたという。阪神淡路大震災の時は、新聞社が主催となって海外作家の作品が多数提供されてチャリティー・オークションが開催された。そのような動きがあればぜひ協力していきたい。
アート写真分野の場合、チャリティー写真展などがすぐに思いつくアイデアだろう。しかし、日本では市場で資産価値がある作品が非常に少ないのが開催のネックになっている。 写真展開催にはたいへんな労力が必要。チャリティーでも作品が売れなければ意味がない。それなら直接募金した方がよいだろう。非常に悩ましいところだ。

とりあえずギャラリーとしては写真展を通じて支援活動を行いたいと思う。5月のゴールデンウィーク明けには、仙台出身の下元直樹による写真展「取り残された記憶」を開催することにした。売り上げの一部は日本赤十字社を通じて寄付する予定だ。
本作は、宮城県の亘理町、気仙沼市、石巻市、女川町、岩手県の宮古市、釜石市、大船渡市、福島県の相馬市、青森県の八戸市、山形県川北町などで2004年から2009年にかけて撮影されたもの。
多くの撮影場所は今回の東日本大地震による大津波で壊滅的な被害にあった地域。彼が撮影した海沿いの漁村のシーンは残っていないところも多いと思われる。下元は、東北の海沿いに点在する漁村に残る、住宅、店舗、倉庫、工場跡の朽ち果てて錆びた壁面をクローズアップと巧みなフレーミングで撮影している。作品は日本の経済成長の陰の部分にフォーカスしたドキュメント。硬派なテーマなのだが、グリッド状に展示されるタイポロジー的作品は、グラフィカルにきれいな上、カラフルな色彩はポップで魅力的なのだ。彼は寂れた漁村のドキュメントの中でイメージ自体の美しさを見出している。ネガティブをポジティブに変える作品が評価されて、昨年開催された「Imperfect Vision」展に選出されている。

4月に開催される「ソウル・フォト2011」では、大震災被害者を支援するための何らかの展示を行うことを急遽決めたという。日本からの参加ギャラリーは大震災の影響で減少したそうだ。私どもは予定通り参加するので、できる限り協力したいと考えている。

アートは大規模な自然災害を前に何ができるか?それぞれの多様な考えがこれから提示されてくるだろう。

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