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2011年4月19日 (火)

横木安良夫「Glance of Lens 2011」展が終了
次回はチャリティー写真展開催!

Blog
岩手県宮古市 2009  (C)Naoki Shimomoto

先週末に横木安良夫写真展が終了した。会期開始直後の3月11日に東日本大震災が発生。倉庫内に積み上げていた額が崩れたり、写真集が床に落ちたりしたが、幸いギャラリーに大きな被害はなかった。
その後、計画停電などがあったことから、節電とお客様の安全確保に配慮しながら細々と営業を続けた。大震災から2週間くらいは、来廊者がある度にスポットライトを点灯するようにしていた。残念ながら予定されていたポートフォリオ・レビューも中止にせざる得なかった。しかし、会期終了にかけては客足も徐々に増えてきた。計画停電が中止されて以降は、ほぼ平常時に近い状態に戻り、どうにか無事に会期を終えることができた。来廊してくれた皆様、本当にありがとうございました。

今回の大震災では、会場の東京国際フォーラムが避難所になった「アートフェア東京」が延期になるなどアート業界も大きな影響を受けた。直接被害を受けていないものの展覧会を中止、延期するギャラリーも続出した。
自然災害の前でアートは無力なのか?という問いに対するギャラリーの姿勢の違いが出たのだと思う。アートを含む人間の力が自然の前で無力であることはあたり前だろう。しかし、平常時に社会生活を送っている私たちはそんなことを忘れて文明を享受しながら生活している。時に自然をコントロールできると妄信してしまう。人間は宇宙の中で生かされているという事実に対して謙虚でなければならない。それを思い起こすきっかけの一つがアートなのだ。それこそが世の中でのアートの存在意義。私どもギャラリーはアートを紹介することでその役割を果たすのだと理解している。大震災が起きても人間はやがて社会の中に戻って生きていくしかない。ギャラリーは作品を展示し続けなければならないのだ。
特に展示していた「Glance of Lens 2011」展は、上記の思想が作品メッセージの一部になっている。大震災でも、計画停電でも、続けなければいけないと判断した。

さて次回展は仙台出身(現在は東京在住)の写真家下元直樹の「忘れ去られた記憶」だ。ゴールデン・ウィーク明けの5月12日から開催する。本展は、急遽開催を決めた。当初予定していたグループ展の参加写真家の一人が被災地の仙台在住だったこともある。開催のために必要なコミュニケーションが困難と判断した。
さて本作で重要なのは、撮影場所。宮古、気仙沼、石巻などちょうど今般の東日本大震災の大津波で被害にあった地域なのだ。その写真は寂れた漁村などの、朽ち果てた倉庫、家屋、壁面のカラーによるクローズアップ。たぶんそれらは津波で、もはや残っていないだろう。
彼の写真は一種のドキュメントだ。しかし絵的にとてもグラフィカルでカラフルな現代アート的な作品になっている。何で東北に点在する寂れた地域の撮影にこだわったのか。それは自らが仙台出身である下元のアイデンティティーと関わると思う。都市部の成長を支えながら取り残された東北地方の現状を広く伝えたいという東北への愛だろう。地方の犠牲の上に成り立っていた都市部の繁栄。これこそが今回の大震災で再認識された日本の経済成長のダークサイドだ。
なお、本展は東日本大震災被害者支援のチャリティー写真展として開催します。

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