« 静謐でピュアなホワイトキューブ
シャネル・ネクサス・ホール
「NAOKI MOOD - 9 GIRLS」
| トップページ | エグルストンがコレクターに訴えられる!
いまも続く単独オークションの衝撃 »

2012年4月17日 (火)

新年度4月以降の予定
テリー・ワイフェンバック新作展など

Blog
(C)Terri Weifenbach / RAM

昨年の今頃は震災直後でギャラリーは開店休業状態だった。不要不急の最たる商品であるアート作品を積極的に売買するような雰囲気はなかった。
今年の市場の雰囲気は遥かに好転してきている。円高の勢いもおさまり、株価も一時的だったが震災前のレベルまで戻った。作品の動きもほぼ震災前の水準に近づいてきた。しかし、日本のアート写真界にはいまだ勢いは感じられない。ここ数年、アートフェア開催がブームとなり、写真も含めて全国で数多くのイベントが開催された。最初のうちは多くの人の関心を集めた。しかし写真に関しては、参加業者の展示作品が毎回あまり変わり映えがしなくて退屈だ、という意見が多く聞かれるようになった。欧米のギャラリーは、主要なフェアでは常にフレッシュな展示を心がけるのがあたりまえ。つまり、過剰なフェア開催で日本の写真界のコンテンツ不足が明らかになったのだと思う。売り上げや内容が伴わない客寄せのためのイベントは長続きしないのだ。
最近はさらにギャラリーの写真展でさえ、見たい買いたい展示はほとんどないという厳しい意見をコレクターからよく聞く。動くのは、インテリア向けの安い写真と、ブランド作家が中心なのだ。つまり、色々あったものの結局は20年前と全く変わらない状況なのだ。これは学生の就職の価値観が20年前の大企業、役人志向に舞い戻ったことと重なって見えてくる。やはり、ある日突然にアート写真ブームが来ることはないのだ。新人の育成から地道に市場の厚み作りを行っていくしかない、とあらためて感じている。

4月17日~29日までは、広尾のIPCで「Living with photography(写真とともに生きる)」展を開催する。写真展の趣旨は、「写真とに生活する」ではなく、「写真とともに生きる」だ。写真撮影を通しての社会とのつながりを支えに生きている人たちのグループ展だ。今年の2月に「The Emerging Photography Artist 2012(新進気鋭の写真家展)」を開催したが、今回はその延長上の企画だ。職業は様々だが、写真を長年撮影している人で、作家としてのキャリア展開を目指している7名をセレクトしている。
参加者は、金子典子、南しずか、木戸孝子、濱田トモミ、猪俣 肇、大橋英児、斉藤秀之。
ファイン・アート・フォトグラファー講座などのワークショップ参加者は、個展前の目標としてほしいクループ展だ。

4月25日~5月20日まで、ハービー・山口とヨーガン・シャドバーグの二人展「Two in One in England」が大阪のブルーム・ギャラリーで開催される。以前、ブリッツで開催してたいへん評判だった企画の待望の関西巡回展になる。本展はハービー氏にとって非常に思い入れが強いロンドン時代の師匠との二人展だ。5月12日(土)にはハービー・山口のトークイベント&スライドショーもギャラリーで開催される。
日本経済新聞での「光 十選」の連載、「写真家たちの日本紀行」出演、震災をテーマにした写真集「Hope 3.11」の出版など、活躍の幅をますます広げているハービー氏の最新トークはファンならずとも興味深いだろう。彼のイベントはすぐに満席になることで知られている。興味ある人は早めに予約してください!
今後、京阪地域でのハービー・山口の巡回展はブルーム・ギャラリー中心に行うことになる予定。楽しみにしていてください!

詳しくは以下をご覧ください。
http://www.bloomgallery103.com/event/bloom-kai/120512.html

ブリッツでは、5月23日からテリー・ワイフェンバックの新作展「Between Maple and Chestnut」を開催する。これは、かつて中間層の家族が多く住んでいた、全米いたるところにあったメイプルとチェスナットがついていた郊外のストリートをテーマにした作品。90年代以降に中間層が没落して、21世紀の現在もはやそのような場所は存在しない。ワイフェンバックは、ある時友人の新居を訪ねるときに道に迷う。そして迷い込んだのが50年代の雰囲気を持った美しい郊外の町並みを持つストリートだったという。まるでタイムマシーンで過去に舞い戻った感じだったのだろう。彼女はその地域を約1年半に渡り撮影したのが本作。しかし、撮影を続けながら気付いたのは、住民はもはや中間層ではなく成功した若い富裕層だったという。本作では、中間層の没落でアメリカは何を失ったかをテーマにしている。それは、誰でも頑張れば成功するというアメリカドリームの終焉なのだ。
いつもと同じように明るい、輝く、郊外のシーンなのだが、今回は明確な時代と社会の変化を意識した作品になっている。写真集はちょうど写真展開催に合わせて入荷する予定。限定1000部なのですぐに売り切れそうだ。なお、昨年発売された、「Some Insects」からも4点だけ展示する予定。こちらの写真集も既に完売しているのだが、写真展に際して限定数を確保した。

新年度もよろしくお願いします!

|

« 静謐でピュアなホワイトキューブ
シャネル・ネクサス・ホール
「NAOKI MOOD - 9 GIRLS」
| トップページ | エグルストンがコレクターに訴えられる!
いまも続く単独オークションの衝撃 »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/170909/54494976

この記事へのトラックバック一覧です: 新年度4月以降の予定
テリー・ワイフェンバック新作展など
:

« 静謐でピュアなホワイトキューブ
シャネル・ネクサス・ホール
「NAOKI MOOD - 9 GIRLS」
| トップページ | エグルストンがコレクターに訴えられる!
いまも続く単独オークションの衝撃 »