« 日本のファッション系フォトブック・ガイド
(連載第4回)
坂田栄一郎「注文のおおい写真館」
(1985年、流行通信社刊)
| トップページ | ムンクの「叫び」が96億円、
バスキアが16億円!
アート市場二極化の先にあるのは »

2012年7月10日 (火)

若者よアーティストを目指してください!
ロスト・ジェネレーション・フォトグラフィー展

Blog

2011年開催のAsaianPhotArts展のDM

若い人にとって自分の能力を最大限に発揮して自己実現できるアーティストは憧れだと思う。世の中の大多数の人は、交換可能な誰にでもできる仕事を我慢しながら続けている。構造的な不況が長引く中、自分を殺しながら続ける仕事すら既得権化しているという。いま多くの若者は極端に現実的でアーティストを夢見るどころではないという意見も聞く。アーティストを目指す人が少なくなると、優れた才能が現れる確率はどんどん減少していく。活気のない業界が更に沈滞するだろう。個人的には、若い人は自信過剰であって、ある程度リスクをとって欲しいと思う。
私はアーティストとして社会に認められることがすべてではないと思う。アーティストは世の中と能動的に対峙する生き方のことだと理解している。サラリーマンを続けながらアーティストの精神を併せ持つことも可能だと考えている。
この厳しい環境下、ある程度経験がある年長者はアーティストを目指す若者たちを確信犯で応援しなければばらないと思う。業界が長い人は自分なりの考えを持っている。それに同調する人だけを応援することが多い。それは若手支援ではなく、自分の支配できる若者を増やそうとする行為だろう。理想的には若い人たちが中心になって活動を行い、その中から優れた才能が育っていくことだろう。しかし、経験と実績がない人たちが集まってもどうしても自己満足か、けんか別れで終わることが多い。経験者と新人がうまく噛みあって協力できればより効果的に活動ができるはずだ。

Asian Photo Artsはヴィジュアル表現でアーティストを目指す若者たちの緩い集まりだ。日本人だけではなく、韓国人、ロシア人も参加している。写真家だけではなくデザイナーなど、クリエイティブな仕事を行っている人たちがいる。緩い集まりのいいところはグループが外に開いているということ。これはとても好ましい。アーティストは独立していないといけない。しかし、お互いが精神的に独立していればグループでの活動には様々なメリットがある。 私は上記の理由からこのグループの活動をお手伝いしている。彼らは昨年に続き今秋に広尾のインスタイル・フォトグラフィー・センターでグループ展を開催予定だ。メンバーの入れ替わりがあり、今回新たな参加者を募集している。やはり周りの意見を受け入れずに自分のエゴを通そうという人がメンバーから離れていったようだ。若い時の作品展示は、自分のメッセージと社会とのギャップを見つけることが目的だと思う。そして問題点を改善して自作にフィード・バックすることが重要なのだ。オーディエンスのリアルな反応を取り込むことで作品の完成度が上がっていく。自分の考えに固執するオール・オア・ナッシングの人は、アーティストとしてメッセージではなく、アーティストというエゴの幻想を追っているだけなのだ。私は若者に自分の将来の可能性に対して、悲観するよりは多少自信過剰になって欲しいと考えている。

今秋のグループ展は特にAsian Photo Artsのカラーを出す目的ではなく、アーティストを目指す若い人の展示と理解している。年齢上限は40歳なので、今年の春に行った「エマージング・フォフォグラフィー・アーティスト」の若者版にあたると考えている。私として自分が良いと思う方法で写真を選んで展示するだけの自己満足のグループ展にはしてほしくない。内容レベルはともかく、アート作品として必要十分条件だけはクリアして欲しい。そのために、それぞれの参加者のポートフォリオの問題点は厳格に指摘するつもりだ。結果的にアートとして要件を持った作品作りに協力していきたい。作品評価は最終的にオーディエンスが行えばよいと思う。

写真展は今秋開催される。費用分の参加料はかかるが、個展開催よりもはるかに効率的な自己投資だと思う。

'1OST GENERATION PHOTOGRAPHY'展(ロスト・ジェネレーション・フォトグラフィー)
展示期間: 10/30(火)~11/11(日)
会場:インスタイル・フォトグラフィー・センター(IPC) 広尾
    東京都港区南麻布 5-2-9-B1F
主催:Asian Photo Arts, 協力:Art Photo Site

○7月28日(土)に参加希望者のレヴューを開催予定。
開催要項など詳しくは以下をご覧ください。
http://www.artphoto-site.com/topics_AsianPhotoArt.pdf

|

« 日本のファッション系フォトブック・ガイド
(連載第4回)
坂田栄一郎「注文のおおい写真館」
(1985年、流行通信社刊)
| トップページ | ムンクの「叫び」が96億円、
バスキアが16億円!
アート市場二極化の先にあるのは »

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/170909/55164861

この記事へのトラックバック一覧です: 若者よアーティストを目指してください!
ロスト・ジェネレーション・フォトグラフィー展
:

« 日本のファッション系フォトブック・ガイド
(連載第4回)
坂田栄一郎「注文のおおい写真館」
(1985年、流行通信社刊)
| トップページ | ムンクの「叫び」が96億円、
バスキアが16億円!
アート市場二極化の先にあるのは »