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ハービー・山口
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2012年8月21日 (火)

今秋のギャラリー予定、IPCでの開催中写真展など

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(C)Herbie Yamaguchi

ギャラリーの次回展はハービー・山口写真展「マイ・ロンドン・パンク・ライフ」を開催する。少し時間があくが10月10日スタートを予定している。ロンドン時代の70年代後半から80年代初期にかけてパンクやニューウェーブのシーンをとらえた作品が展示予定。また新たにセレクションされた多くの未発表作品も紹介される。当時の熱い雰囲気を伝えてくれるカラーによるクラブシーン、パンクバンド・クラッシュのジョー・ストラマーらのポートレートの貴重なコンタクトシート、有名ミュージシャンの未公開作などはファンは必見だろう。

広尾のインスタイル・フォトグラフィー・センターでは谷口能隆の写真展「Passage-ときの痕跡(Paris ・Praha・小樽)」を8月26日(日)まで開催中だ。彼はアート・フォト・サイトのファイン・アート・フォトグラファー講座の受講生。アート写真に興味のあるアマチュア写真家はぜひ参考にしていただきたい写真展だと思う。
作品テーマは古いものを大切にする価値観の再評価だ。彼は過去5年間くらい精力的に欧州各国を撮影旅行のために訪れている。特に古い街並みが残っている古都パリとプラハを夜間に精力的に撮影している。彼は古いものを壊し近代化してきた日本の街並みに違和感を抱き、中世の街並みが残る欧州の街並みに心地よさを感じた。それは表層的な部分だけでない。彼は伝統を重んじながら新しいものを選択的に受け入れる欧州の精神性に魅了されたのだ。
欧州の古都を撮影する写真家は数多くいる。実際、モノクロームで撮影されたこの地の写真はアマチュアによる作品でもアート的な雰囲気を持つ。彼の作品で興味深いところは、パリ、プラハとともに北海道の小樽を同時にセレクションしていること。東京に住んでいると、日本の古い町並みは京都や奈良以外に残っていないように思ってしまう。しかし、京都、奈良は観光地として中世から続く古い神社、仏閣などが保存されているのではないだろうか。そこに古いものを大事にする精神性は存在するが、欧米のものとは違うと思う。街並み自体はなにか不自然に古都の残り香を演出しているような印象もなくはない。パリやプラハは現代人の生活の延長上に古い街並みがある。しかし京都、奈良では現代人のリアリティーとは不連続性を感じるのということだ。
それに比べて小樽は、20世紀半ばまでは石狩地方で産出された石炭の道外への輸送や、ロシアとの交易で栄えた港湾都市。いまでも明治、大正、昭和初期の歴史的建造物が数多く残されているのだ。観光地として有名だが、その古い町並みは現在の延長上に存在する。谷口は、小樽をパリ、プラハと並べたことで日本人にも古いものを大事にする精神性が受け継がれていることを提示している。
私たちは戦後ずっと経済成長を追求し古いものよりも新しいものを求めてきた。経済成長が頭打ちになり明るい未来像を描けないいま、日本人は成長、お金儲け追求の価値観からの決別を求められている。そんな問題意識が社会の第一線で活躍してきた50代の写真家谷口から発せられているからこそ重たく感じる。
では私たちはこれから何を頼りに生きていけばよいのだろうか。ただ伝統や古いものを大事にすればよいのか?それは谷口の次回作でより明確に提示されることを期待したい。

谷口能隆写真展「Passage-ときの痕跡(Paris ・Praha・小樽)」
は広尾のインスタイル・フォトグラフィー・センターで26日(日)開催中。
時間は1時~6時(最終日5時まで)

10月には静岡県御殿場に新しい写真ギャラリーがグランド・オープン予定。現在写真展の企画を練っているところだ。日本の伝統的美意識の本質を意識している日本人写真家によるグループ展になると思う。近日中に詳細を発表することができるだろう。
2009年には、東名高速裾野インター近くにIZU PHOTO MUSEUMが設立されている。御殿場周辺がドライブやアウトレットでの買い物のついでにアート写真の鑑賞が出来る場所になれば素晴らしいと思う。

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