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2015年6月23日 (火)

今年もやります新人展 参加希望者を公募!
「ジ・エマージング・フォトグラフィー・アーティスト」展

作品が売れるようになるとは、アーティストのブランドが確立してきたことを意味する。 言い方を変えると、継続して質の高い作品を発表し続けた結果、アート業界で多くの人に名前と作家性が認知されるようになること。
セルフ・ブランディングなどという言葉をきく。これを自分のことを一方的にPRすることだと勘違いしないことが重要だ。あくまでも第3者による評価が求められる。まずアート作品が評価される枠組みを正しく理解することが必要だ。個性が求められるアート界だが、案外さまざまな前提がある。好き勝手にやるのは趣味のアマチュア写真と同じになってしまう。それを踏まえた上で作品を制作し、どのように自分と作品の情報を様々な機会やメディアを通して発信できるかを探求しなければならない。

本来、新人は専門家の指導のもとで作品制作とブランディングを行わなければならない。しかしそのような機会はかなり少ない。まず日本では写真が売れないので、若手新人を取り扱うのはほとんどが会場レンタルを主業務とするギャラリーなのだ。写真家はスペースを借りてくれるお客さんなので厳しいアドバイスをすることはない。
また写真専門家は忙しいので、なかなか新人の作品のために時間を費やしてくれない。
ポートフォリオ・レビューなども存在するが、それはレビュアーが作品の個人的感想を述べる場になっている。写真家が作品のアドバイスを求めないことも影響している。

日本でアーティストを目指す新人がデビューするのはかなり難しいのだ。2012年から開催している「ジ・エマージング・フォトグラフィー・アーティスト」展はそのような新人にデビュー機会を提供するために始められた。グループ展や写真賞は、星の数ほど存在する。多くは、「写真表現」や「アート性」の独自性など非常にあいまいな基準で写真家が選ばれる。多くの場合、選者の好みで決まっている。
本展は、職業としてのアーティストの可能性を目指す人のために特化したイベントとしている。出品作はアート写真市場の基準に合わせて制作してもらい、会場では参加者自身に作品趣旨を語ってもらうとともに、一般への販売も行う。市場は競争なので、来場者や推薦者による投票を行い参加者の作品人気にランキングをつける。最高得票者がグランプリを獲得する仕掛けも行っている。現実と同じように、専門家の好みだけで人気度が決まらないのが非常に面白い。

主催する側にとって課題だったのはどのように指導者を確保して、そのもとで参加者の作品レベルを高くするかだった。それは、写真を教えている大学や専門機関の先生方の個人推薦という形式で解決することができた。学校では生徒に就職先を世話しなければならない。商業写真分野とともに、グローバルなアート写真業界も非常に狭いにしても可能性の一つになるはずだ。だいたい各年度に何人かはアート指向が強い若者がいるもの、多くの先生方が喜んで協力してくれた。また一般公募も行い、学校との関連を持たないアーティストを目指す新人に専門家に認めてもらう機会を提供している。彼らに対してはギャラリストやディーラーが指導を行っている。

参加者へのその後のフォローにも重点を置いており、展覧会終了後も継続して作家活動している人に対しては様々な作品展示の機会を提供している。ちなみに今月に開催されたAXISフォトマルシェ2には過去3回の参加者の中から積極性のある8名の作品をJPADSブースなどで展示した。
 
今年も「ジ・エマージング・フォトグラフィー・アーティスト」展を開催することが決定した。
4回目は会場を六本木アクシスビルに移すことになった。また大きな変更点は、今回から参加者のうち希望者全員が10月下旬から岡山県倉敷市で開催される「倉敷フォトミュラルf」写真展への招待が決定したこと。六本木と倉敷での展示がワンセットなのだ。
もちろん公募も行う。面接日は7月12日(日)の予定だ。
新人の登竜門を目指しているイベントなので、公募では現段階の作品の完成度よりも、その将来性や個人のパーソナリティーを大きく評価する。作品が100%完成していない人でも、やる気があれば可能性は十分ある。選出された人には作品完成までのアドバイスも行う予定だ。アート写真の世界でのキャリア展開に興味ある人はぜひチャレンジしてほしい。

応募要項は以下をご参照ください。
http://www.instylephotocenter.com/jpads_emerging2015.html

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