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2016年2月23日 (火)

「Michael Dweck : Paradise Lost
(マイケル・デウィック:パラダイス・ロスト)」展 アイランド3部作からベスト作品を展示!!

ブリッツ・ギャラリーの次回展は、米国人写真家マイケル・デウィック(1957-)の写真展「Michael Dweck : Paradise Lost(マイケル・デウィック : パラダイス・ロスト)」となる。当ギャラリーでは、"The Surfing Life"(2006年)、"American Mermaids"(2008年)、"Habana Libre"(2011年)に続く4回目の写真展だ。
Guide759
(C)Michael Dweck
 
デウィックは現役写真家だが、セカンダリー市場のオークションで頻繁に作品が売買されている。それは作家人気が高く、作品が落札予想価格以上で落札されることが非常に多いからだ。
最近では、デジタル・プリント技術を使用してサーフボードにイメージをプリントした一種の写真彫刻のような1点ものオブジェも制作している。そのなかのマーメイド作品をモチーフにした1点は、昨年11月にフィリップス・ロンドンで開催されたオークションで作家最高額の3万7500ポンド(@170/約637万円)で落札された。2014年には、これもフィリップス・ロンドンで"Surf's Up 1, Montauk, NY, 2006"のエディション5の大判サイズが 3万ポンド(@170/約510万円)で取引されている。
それゆえアート写真市場では、次世代を担う有力アーティストとして注目されており、ギャラリー店頭での販売価格も上昇傾向にある。ブリッツの過去3回の個展を振り返っても、2006年や2008年の個展で販売された多くの作品は当時よりも市場価格が大きく上昇している。
 
本展は、デウィックのデビュー写真集「The End: Montauk, N.Y.」(Harry N. Abrams, Inc., 2004 年刊)の 10 周年版・プリント付ボックスセット刊行を記念して行う。2004 年に刊行されたオリジナル版は、発売後わずか数週間で 5000 部を完売し、その後レア・フォトブック市場で一時期 1 万ドル(@115 円/約115 万円)で取引されたという伝説の写真集。作家本人の手元にもオリジナルは1冊しか残っていないという。
発売当時、日本では単にモデルにサーフボードを抱えさせてモントークの浜辺で撮ったファッション写真と誤解されていた。作り物のイメージということで、写真集の評価は非常に低く、信じられないことだが、洋書ロゴスのセールでもバーゲン価格で売られていた。その後、写真展開催がきっかけで、すべてドキュメントであったことが知られ、テーマ性と作家性が再評価されることになる。
 
マイケル・デウィックのキャリアを簡単に説明しておこう。彼は生まれも、育ちもニューヨーク。長年広告業界で活躍した後、40代で写真家に転身というキャリアを持つ。海外では、若い時はお金儲けに精出して資金を貯め、中年になってからアーティスト・デビューするのは珍しくない。ただし成功例はあまり多くないようだ。
彼は、幼少時代から訪れていたロングアイランドの漁村モントークの消え行く地元サーフィン文化をドキュメントした「The End: Montauk, N.Y.(ジ・エンド・モントーク、N.Y.)」シリーズで2002年にデビュー。ちょうど2001年の同時多発テロで自信を失っていたアメリカ人は、古きよき時代の気分が凝縮された彼の作品に魅了される。経済のグローバル化、デジタル情報革命などの影響より、没落しかけている白人中間層の「古き良きアメリカ」へのノスタルジーも人気の背景にあるだろう。また著名コレクター、有名人が作品を相次いでコレクションしたこともマスコミで話題となった。

2008年の「Mermaids(マーメイド)」では、フロリダ州の小さな漁村アリペカを舞台に、デウィックは澄み切った水と共に実際に生活するこの地の美女たちを現代のマーメイドに見立てて、理想のアメリカン・ガール像を探求。ブロンドヘアーの女性たちは、水中空間を背景に、光、影、反射、水のレンズ効果が駆使されることでまるで抽象絵画のように表現されている。

2011 年の「Habana Libre(ハバナ・リブレ)」では、デウィックは階級がないはずの共産主義国キューバに存在するクリエィティブな特権階級のファッショナブルなライフスタイルを探求。西側はもちろん、キューバ内でも知られていない同国内のシークレット・ライフを初めて紹介するドキュメント作品に取り組む。米国とキューバとの文化的な関係性を取り上げるとともに、当時にいちはやく両国の国交再開を示唆した作品としても注目された。
 
本展では「The End: Montauk, N.Y.(ジ・エンド・モントーク、N.Y.)」、「Mermaids(マーメイド)」、「Habana Libre(ハバナ・リブレ)」のアイランド三部作から、既にエディションが売り切れている代表作も含めたベスト作品24点を展示する。彼のいままでのキャリアをコンパクトに回顧する写真展でもある。会場では「The End: Montauk, N.Y.」10周年特別版ボックス・セットを紹介するとともに、過去の写真集も限定数だけ確保して販売する予定だ。なお「The End: Montauk, N.Y.」10周年の普及版はいまのところ発売されていない。
いま市場で資産価値のある作品は全般的にかなり高額になってしまった。マイケル・デウィックの作品も同様なのだが、まだコレクター初心者でも購入可能な価格帯の作品も存在する。特に「The End: Montauk, N.Y.」10 周年版は、豪華写真集に11x14インチサイズのオリジナル・プリントが付いている。
イメージは3種類あり、各エディションが100点なので他の作品と比べると比較的割安感がある。日本の感覚ではそれでも決して安くはないだろう。しかし、ある程度の値段がついているのは、その作品にすでに本源的価値があることを意味している。資産価値を意識したアート・コレクションに興味ある人は、ぜひ現物を見て価値を確かめてほしい。
 
・マイケル・デウィック 写真展
“Michael Dweck : Paradise Lost”
(“The End: Montauk, N.Y.” 10周年版刊行記念展)
 
2016年 2月25日(木)~4月23日(土)
1:00PM~6:00PM/ 休廊:日曜および月曜日 / 入場無料
〒153-0064 東京都目黒区下目黒6-20-29
JR目黒駅からバス、目黒消防署下車徒歩3分 / 東急東横線学芸大学下車徒歩15分

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