2017年9月27日 (水)

トミオ・セイケ写真展 見どころを解説!
「Julie - Street Performer」
10月3日スタート!

ブリッツ・ギャラリーでは、海外を中心に活動する写真家トミオ・セイケの「Julie - Street Performer (ジュリー - ストリート・パフォーマー)」展を10月3日から開始する。本展では、若きストリート・パフォーマーであるジュリーを中心に撮影された1982年の作品が世界初公開される。昨年に当ギャラリーで開催して好評だったリヴァプールの若者グループを撮影した「Liverpool 1981(リヴァプール 1981)」と、本作はセイケが80年前半に英国で出合った若者たちをドキュメントしたシリーズの2部作となる。
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ⒸTomio Seike 禁無断転載

ストリート・パフォーマーは大道芸人と日本語に訳される。外国ではライブ演奏も含まれる。ロンドンでは、行政からライセンスを得たパフォーマーが指定された路上で、歌、踊り、演技、演奏、アートなどのパフォーマンスを行い、観光客を楽しませてくれる。
 
1982年10月、セイケはロンドンで、カナダから来た若き4名のストリート・パフォーマーに出合う。彼らは男女二人ずつのグループで、ギターなどでの演奏をバックに男女のペアがダンス・パフォーマンスを行っていた。セイケは、彼らに興味を持ち、約1週間にわたりグループと行動を共にする。コヴェント・ガーデン、カムデン・マーケット、ポート・ベロー・マーケットで、主に女性ダンサー・ジュリーのパフォーマンスや私生活を集中的にドキュメントした。セイケのカメラがとらえたのは将来の大きな希望と現実の不安の中で揺れ動く若者たちの表情や態度。前作のリヴァプールの若者たちと同様に、青春の光と影が表現されている。
 
この80年代初頭の2作では、ともに厳しい環境下で暮らす若者たちが撮影されている。リヴァプールの若者は、常にジョークを言い合い、表情は明るかったという。少なくとも彼らには、十分ではないにしても行政の支援があり、親元にいたので住む家はあったのだ。英国経済は79年~81年にかけて高インフレの進行と景気の後退に直面していた。当時の若者たちは、自分たちの現状は変わらないという一種の諦観があり、そんな自分たちを俯瞰して笑い飛ばすようなシニカルな緩い表情が見受けられる。
一方で、カナダ出身で、旅の中で暮らすストリート・パフォーマーたちの生活環境は、リヴァプールの若者よりも厳しいと思われる。しかし、彼らの表情からは凛としたような強い意志が感じられる。たぶん自己表現の道を歩むという、将来の目標を自らで考えて、決断を下したことによる覚悟がその背景にあるのではないか。
このあたりは、社会階層の変動が乏しい英国と、努力すれば自分の可能性は開ける、と考える新大陸の北米との考え方の違いなのだろう。80年代前半の北米では、まだアメリカンドリーム的な考えを持つ若者が多かったのだろう。セイケは長年英国に暮らし、同国文化をよく理解している。彼が感じた、ストリート・パフォーマーとリヴァプールの若者との生きる姿勢の違いが本作制作の動機の一つだと思われる。
いまや北米社会は超格差社会になってしまった。21世紀のいまあえて本作をセイケが発表するのは、努力すれば自分は変わることができる、という楽観的なアメリカンドリームの勘違いの行く末を提示したかったのではないか。そして、北米と英国の二つの全く違う生き方の姿勢を示し、幸せな人生とは何かをいまの日本人、特に若者に考えて欲しいのだろう。
判断は写真を見るそれぞれの人に任せるとして、私の個人的な意見を述べておこう。たぶん、この二つの考え方の中間がバランス的にが良いのではないか。重要なのは、現実検討能力だろう。米国文化に影響された日本人にも、積極的な思考を追求する人が多くいる。日本人は欧州・英国よりもアメリカ的な考えを持つ人が多いと思う。しかし、彼らはうまくいったらその原因を自分に求め、失敗したときの原因を外部に求める傾向がある。ポジティブな姿勢は良いのだが、同時に客観的に自分の能力を見極めて、自らの判断に全責任を負う覚悟を持つことが重要なのではないだろうか。頑張る一方で諦める、そのバランス感覚だと考える。

セイケの代表作はアメリカ人女性のゾイを20歳から約5年間にロンドン、パリ、ニューヨーク、東京で撮影した「ポートレート・オブ・ゾイ」シリーズだ。「Julie - Street Performer」は、ちょうどそれを開始する1年前の1982年に取り組んだ作品となる。カメラはライカM4とライツ-ミノルタCL、レンズはズミルクスの35mmと50MM、ズミクロン90mm。そしてあのノクチルクス50mmf1.0が使われている。特に本作はセイケがノクチルクスを使用して撮影を行った初めての作品となる。レストランパブ、地下鉄などの光が弱い環境のポートレート撮影ではレンズの能力が見事に発揮されている。それらはセイケ写真の特徴であるモノクロームの抽象美を追求する作品スタイルへの展開を予感させる。

また次作の「ポートレート・オブ・ゾイ」撮影の発想の原点だと思われる作品も発見できる。鏡を見ているピエロの化粧を落としたジュリーの素顔の表情は、ゾイ・シリーズの未発表作と勘違いしてしまう印象だ。一部には、ドキュメント的、また中望遠で撮られた作品が見られる。またセイケ作品は、洗練された、静的な雰囲気のものが多いのだが、本作中にはカジュアルで動きのある写真も発見できる。写真家がどのようにオリジナリティーや撮影スタイル確立に試行錯誤したかの痕跡だといえるだろう。
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ⒸTomio Seike 禁無断転載

このように、同作には見どころが満載だ。セイケ写真の原点ともいえる、ファンには非常に興味深い展示だといえるだろう。
本展では、デジタル・アーカイヴァル・プリントによる作品21点が展示される。昨年限定発売して好評だったフレーム入りミニプリント。今年も販売する予定だ。こちらは店頭のみの販売となる。トミオ・セイケは土曜の午後に来廊する予定。来廊予定は、ギャラリー・ホーム・ぺージやツイッターを参考にしてほしい。

 トミオ・セイケ 写真展

「Julie - Street Performer」
( ジュリー - ストリート・パフォーマー )
ブリッツ・ギャラリー 
2017年 10月3日(火)~ 12月2日(土)
13:00 - 18:00 日月休廊
 

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2017年9月13日 (水)

フォトマルシェ4が今週末に開催!
ミュージック系~アート系まで幅広く展示

いまなんでロック系のミュージック写真が売れるのだろうか。
それは、90年代くらいまでは音楽が時代の気分や雰囲気作りの一翼を担っていたからだ。つまり優れたロック系ミュージック写真は、アート系ファッション写真と同じといえるのだ。この時代を生きた人は、自分が愛聴していた有名ミュージシャンの1枚の写真から過去の記憶が蘇る。当時はいまのような音楽配信ではなく、LPが中心だった。楽曲やミュージシャンの思い出はいま以上にヴィジュアルとともに強く残っている。これは日本だけではなく、世界的な現象になっている。市場規模はファッション写真よりも大きいと思われる。過去の良き時代を懐かしむ流れの一環なのだろう。
しかし、それは単にブロマイド的な有名ミュージシャンの写真が売れるのとは意味が違う。やや分かり難いので、ファッション写真に置き換えてさらに詳しく説明しよう。アート作品にならないファッション写真は、単に服の情報を提供しているだけだ。ミュージック系でも、スナップ、ライブ、広報用などの写真はミュージシャンの情報を提供しているだけなのだ。これらのヴィジュアルにはドキュメント性はあるが写真家やミュージシャンの創造性が作品に反映されていない。
アートになり得る優れたミュージック系写真が生まれるには、写真家とミュージシャンとの深い関係性が非常に重要となる。それは才能を認めあった両者によるコラボ作品なのだ。そのような、作品はLPジャケットでのセッションやプライベートでの撮影の中から生まれることが多い。
 
市場には、アート系とブロマイド系が混在している。ミュージック系の作品をコレクションする際は注意してほしい。アート系は一般的に限定数の販売で価格が高い。しかし、アート作品なので資産価値を持つ点が大きく違う。
例えば、昨年にデヴィッド・ボウイが亡くなったことで、彼と人間関係が深く、数多くのセッションを行っていたブライアン・ダフィー、テリー・オニール、鋤田正義らの作品相場は大きく上昇した。ボウイ作品でも、スナップ、ライブの写真の価値に変化はない。
 
さて、今週末から始まるフォトマルシェ4のテーマはMUSUICだ。
メイン展示では、鋤田正義が、デヴィッド・ボウイ、デヴィッド・シルヴィアン、イギー・ポップ、マーク・ボラン。
グリード・ハラリが、ボブ・マーレー、ルー・リード、フレディ―・マーキュリー、エリック・クラプトン、ケイト・ブッシュ、パティー・スミス、ジョニー・ミッチェル、デヴィッド・ボウイのポートレートを展示する予定となっている。
 
ボウイのようなビッグ・ネームは多くの人が時代性を共感する。しかし、いまほどでないにしても70~80年以降には上記のような数多くのミュージシャンが活躍している。それらのヴィジュアルに感銘を受けるかは、見る側がその時代をどのように生きたかによる。アート系でも、ミュージシャンや写真家の知名度によりお求めやすい価格の作品も数多くある。今回のフォトマルシェでは、来場者がかつて自分が生きた時代を思い起こす写真との出会いが数多くあることを願っている。写真がきっかけで、好きだったミュージシャンを語る場になってくれたら本望だ。
 
○ブリッツ・ギャラリー展示予定写真家
ブライアン・ダフィー、テリー・オニール、スティーブ・パーク、テリ・ワイフェンバック、鋤田正義、杵島 隆、新山 清、高橋和海、伊藤雅浩など。
 
 
○トミオ・セイケ写真展の案内状を配布!
ブリッツでは10月3日からトミオ・セイケ写真展「Julie - Street Performer」を開催する。
毎回、好評の展覧会案内状。いつも会期開始直後になくなってしまう。本展のA5サイズカードを、フォトマルシェ4のブリッツのブース内のみで限定数無料配布する。希望者はブースのスタッフに声をかけてください。
 
○アート・フォト・サイトとJPADSも参加。
約15年にわたり開催しているファインアート・フォトグラファー講座。以下の参加した写真家の作品が展示される。
大塚卓司、橋村豊、柳田友希、今野光、藤原感市、安部礼子、伊藤雅浩。
今回はすべて小ぶりでお求めやすい価格の作品を展示している。私は日本の新しい分野の写真家に育つ可能性を持つ人たちだと評価している。週末には参加写真家も会場にいる予定だ。
 
○トークイベント開催
・「写真の見立て教室@フォトマルシェ」開催
ここ数年に渡り、ブログで提案している日本の新しいアート写真の価値基準。限界芸術や民藝の写真版としてクール・ポップ写真と呼んで普及に努力している。
7月29日は、初の「写真の見立て教室」を開催して、非常に好評だった。今回はその考え方のエッセンスを実例を提示しながらコンパクトに紹介していく予定。全く新しい枠組みで、現在の日本の写真の世界を分析していく。ブログを読んで興味を持って興味を持った人、写真家、コレクター、キュレーター、写真鑑賞が趣味の人はぜひご参加ください。
 
・伊藤雅浩(写真家)トーク・イベント
「宇宙の営みを可視化する」
 
伊藤雅浩(1983年生まれ)は、写真での現代アート表現に挑戦し続けている新進気鋭作家。これまでに、空間周波数に注目して写真のビジュアル分析を行い、ゆらぎ理論を用いたアート写真の客観評価の探求などを行っている。
今回フォトマルシェでは最新の2作品を公開。「陽はまた昇る(The Sun Also Rises)」で、目に見えない大地震のヴィジュアルによる可視化に挑戦。また「Life is a series of choices」では、カオス図形による抽象作品に取り組んでいる。
本トークでは、ユニークな作品メッセージの背景にある発想法やアイデアの見つけ方について本人が語る予定。
聞き手:福川芳郎
 
○テリ・ワイフェンバック初期作のコレクション相談会を実施
2017年10月1日より、アナログの写真用紙で制作されていたワイフェンバックの初期3作品の販売価格が改定されることになった。残念ながら従来の用紙がデジタル化進行により、生産が中止となり新たに作品制作ができなくなったことによる。エディション数が残っている作品も現在までに制作されたプリント数で制作終了となる。作品の希少性を鑑み、今回は40~50%の大幅な価格改定となる。
In Your Dreams、Hunter Green、Lana/Snake Eyesの作品購入を考えている人は、ぜひ価格改定前のこの機会に作品のコレクションを検討してほしい。会場では、ワイフェンバック作品も一部展示する予定。ブリッツのブースでは作品にご興味を持つお客様向けに随時相談会を開催する。既に売り切れの人気作品もあるが、まだ購入可能な素敵な彼女らしい作品も残っている。
期間中は購入可能作品を旧価格にて提供する予定。ただし、海外でも販売していることから人気作売り切れの場合はご容赦いただきたい。
私はだいたいブリッツのブースにいる予定だが、打ち合わせなどで席をはずすこともある。ご興味のあるお客様は、もし可能なら事前にお出でになる日時をメールで連絡してほしい。フォトマルシェに来場できない人に対してはブリッツで随時相談会を開催。(メールで予約受付中)旧価格でのご提供は9月30日受注分までとなる。
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2017年8月30日 (水)

ブリッツ2017年後半の予定
フォトマルシェ4/トミオ・セイケ展

早いもので夏休み期間も終わり、
アート業界はいよいよ秋のシーズンに突入となる。
ブリッツの秋以降の予定を紹介しよう。
 
○「AXIS フォトマルシェ 4」に参加
9月15日(金)~18日(祝・月)11:00~19:00
会場: アクシスギャラリー
(東京都港区六本木5-17-1 アクシスビル4F)
入場料 : 無料
主催・企画: アクシスギャラリー
 
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六本木のアクシスギャラリーで4回目の開催となるフォトマルシェ。今年のテーマは「MUSIC」となった。メイン展示は、鋤田正義と、イタリア人写真家グイード・ハラリ(GUIDO HARARI)の豪華なロック系ミュージシャンのポートレート。ミュージシャン名は以下の通り。
○鋤田正義
デヴィッド・ボウイ、デヴィッド・シルヴィアン、イギー・ポップ、マーク・ボラン
○グイード・ハラリ
ボブ・マーレー、ルー・リード、フレディ―・マーキュリー、エリック・クラプトン、ケイト・ブッシュ、パティー・スミス、ジョニー・ミッチェル、デヴィッド・ボウイ、ニック・ケイブなど

その他、テリー・オニールのザ・ビートルズ、ザ・フー、ブライアン・ダフィーのデヴィッド・ボウイ作品。また、プリンスのオフィシャル・フォトグラファーだったスティーヴ・パークの作品も展示される。ちなみに9月には彼の写真集「Picturing Prince」日本版も発売される。

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(c)Steve Parke/Iconic Images

それ以外にも、参加ギャラリーやブックショップが新進作家から巨匠の名作までを持ちより展示販売。作品価格帯も、お求めやすい1万円前後から高額なものまで。お買い得な写真集なども出品される予定だ。各種のトークイベントも予定されている。

オープニングイベントは9月15日に開催。18時〜19時に鋤田正義と広川泰士のトークが行われる。

 
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○「トミオ・セイケ写真展」
「Julie - Street Performer」
( ジュリー - ストリート・パフォーマー )
2017年 10月3日(火)~ 12月2日(土)
1:00PM~6:00PM/ 休廊 日・月曜日 / 入場無料
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ブリッツでは、海外を中心に活動する写真家トミオ・セイケの「Julie - Street Performer」展を開催する。
本作は、若きストリート・パフォーマーであるジュリーの生き方をテーマにした初期作。なお、昨年当ギャラリーで開催して好評だったリヴァプールの若者グループを撮影した「Liverpool 1981(リヴァプール 1981)」とともに、本作はセイケが80年前半に英国で出合った若者たちをドキュメントしたシリーズとなる。
 
1982年はちょうどセイケの代表作「ザ・ポートレート・オブ・ゾイ」に取り組む直前の時期で、自らのオリジナリティーや作品スタイル構築を模索していた。本展示作の中には、その後のモノクロームの抽象美を追求する作品スタイルへの展開を予感させる作品が数多くみられる。本展では、セイケの世界初公開の初期作約20枚がデジタル・アーカイヴァル・プリントで制作されて展示される。

*フォトマルシェで案内状を差し上げます!

毎回、好評のトミオ・セイケの展覧会案内状。いつも会期開始直後になくなってしまう。本展のA5サイズカードは、上記フォトマルシェ4のブリッツのブース内のみで限定数無料配布される。希望者はブースのスタッフに声をかけてください。
 
・プレスリリースは以下でご覧いただけます。
 
・プレス用プリントは以下でご覧いただけます。

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2017年7月12日 (水)

夏休み期間の営業について
「写真の見立て教室」など
各種相談会、イベントを開催!

商業ギャラリーでは、どうしても企画展の運営・企画や作品販売の業務を優先せざるえない。今年は年初からデヴィッド・ボウイ関連の写真展があり、日曜も営業。そして4月からテリ・ワイフェンバック写真展「Certain Days」だった。長期にわたった同展もいよいよ今週末15日(土)までとなった。7月下旬から8月上旬にかけての夏休み期間には、普段は時間が取れなくてできなかったイベント・相談会を集中的に開催したい。興味ある人はぜひ参加してほしい。
  • フォトグラファー向け
    ファインアート・フォトグラファー講座開催
    開催日時:8月5日(土曜)
    有料、参加希望者が少ないと延期になる場合があります。

    ポートフォリオ・レビュー/コンサルテーション開催
    過去にファイン・アートフォトグラフィー講座を受講した人に個別に随時開催します。
    有料です。

    詳細、お申込み方法は以下をご覧ください
    http://www.artphoto-site.com/seminar.html
  • アート写真コレクター向け
    オリジナル・プリント無料鑑定会
    お持ちの写真作品の価値を無料で鑑定します。売却希望者には個別アドバイスを行います。以下の日程から1時間程度時間をおとりし予約制で行います。
    期間:7月25日~8月12日
    時間:午後1時~6時
    ご予約・お問い合わせはすべてEメールでお願いします。"オリジナル・プリント無料鑑定会"参加希望として、希望日時をご記載ください。なおご希望に添えない場合もあります、ご了承ください。

    フォトグラフィー・コレクション無料相談会
    アート写真を買いたい初心者向けの個別相談会です。資産価値を持つコレクションの構築法や考え方をアドバイス。インテリアへの作品展示の提案もします。
    以下の日程から1時間程度時間をおとりし予約制で行います。
    期間:7月25日~8月12日
    時間:午後1時~6時
    ご予約・お問い合わせはすべてEメールでお願いします。"フォトグラフィー・コレクション無料相談会"参加希望として、希望日時をご記載ください。なおご希望に添えない場合もあります、ご了承ください。
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  • 写真鑑賞が趣味の人・フォトグラファー向け
    「写真の見立て教室」開催
    ブリッツは日本の新しいアート写真の価値基準として限界芸術や民藝の写真版としてクール・ポップ写真を提案しています。
    今回はその考え方をギャラリストが実例を提示しながら紹介します。意見交換に興味のある、写真家、コレクター、キュレーターはぜひご参加ください。

    開催日時:7月29日(土) 午後2時~
    場所:ブリッツ・ギャラリー
    参加費:1000円
    参加希望者が少ないと延期になる場合があります。
    ご予約・お問い合わせはすべてEメールでお願いします。「写真の見立て教室」参加希望とご記載ください。
    info@artphoto-site.com
 

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2017年4月12日 (水)

テリ・ワイフェンバック写真展
"Certain Days"がスタート!

ブリッツ・ギャラリーは、米国人写真家テリ・ワイフェンバック(Terri Weifenbach、1957- )の写真展「Certain Days」を4月13日(木)から開催する。
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ⒸTerri Weifenbach 禁無断転載
ブリッツでは2014年に開催した「Hidden Sites」以来の5回目の個展となる。本展は2017年4月9日から静岡県三島のIZU PHOTO MUSEUMで行われている、国内外の美術館での初大規模個展「The May Sun」に合わせての開催となる。同展のパンフレットと入場割引券をブリッツ店頭で配布しているので興味ある人は声をかけて欲しい。(数に限りがあります)
 
今回の展示は、ワイフェンバックの約20年以上にわたる写真家キャリアを振り返る内容。IZU PHOTO MUSEUMでは、2005年に発表された「The Politics of Flowers」(onestar press刊)と、伊豆に長期滞在して撮り下ろされた最新作「The May Sun」シリーズ、映像やインスタレーション作品が展示されている。こちらのレビューは近日中に紹介する予定だ。
ブリッツの展示では、「In your dreams」(1997年)、「Hunter Green」(2000年)、「Lana」(2002年)、「Hidden Sites」(2005年)、「Some Insects」(2010年)、「Between Maple and Chestnut」(2012年)からの作品セレクションとなっている。
デビュー作の「In your dreams」は、マーティン・パーとジェリー・バジャー著のフォトブック・ガイド「The Photobook:A History volume II」(Phaidon Press、2006)に取り上げられている。同書で著者は"ワイフェンバックは美しい写真を撮影している。多くの写真家は美しさの表現で失敗を犯している。それは彼らが"きれい"や"かわいい"をアートと混同しているからだ。しかし彼女の写真はただ表層的に美しいのではなく、深い洞察力を持って表現されている"としている。そして、毎日の経験を日記的に抽出するアプローチは、撮影対象が全く異なるがナン・ゴールディンと同じだとしている。私はこの文章は彼女の作品を最も的確に評論していると考える。
デビュー作刊行から約20年が経過しても、ワイフェンバックの写真世界は一貫している。撮影された場所や時期が違っても、自然風景や植物が主要な撮影対象であることに変わりはない。そして、彼女はそれらに自然を愛し崇拝する感覚を持って接している。また私たちの目に見えない、場所特有の雰囲気や気分を感じ取り作品に反映させてきた。私たちが普段は見過ごしてしまうような何気ないシーンが、彼女の手にかかると特別な写真世界へと高められるのだ。
多忙な現代人にとって、身の回の自然や動植物、場所の記憶などは完全に無意識化された存在だろう。彼女は、自作を通して、忙しい生活の中で自分を見失いがちな人たちがそれらに意識的になり、さらに自らを客観視して元気になることを願っているではないだろうか。
 
写真作品と同様に、ワイフェンバックの写真集を通してのヴィジュアル表現は極めて高く評価されている。今までに刊行された多くの写真集のうち、初期作品は貴重かつ高価なコレクターズ・アイテムとなっている。
本展では、「Instruction Manual No1 : 21 May 1995」、「Instruction Manual No2 : 21 April 1996」、「Instruction Manual No3 : 25 June 1996」、「In your dreams」、「Hunter Green」、「Lana」、「The Politics of Flowers」、「Another Summer」など、彼女の手掛けた写真集も展示している。一部の写真集は購入可能だ。また同展の限定カタログには写真作品とともにコレクター向けに詳細な情報満載の写真集ガイドも収録している。
 
本展では、現在はデジタル化の進行で制作が困難になった貴重なタイプCプリント作品18点と、多数の写真集が展示される。ぜひワイフェンバックの20年以上にわたる写真世界の変遷を堪能してほしい。
 
(開催の詳細)
テリ・ワイフェンバック写真展
"Certain Days"
会場:ブリッツ・ギャラリー
2017年4月13日(木)~ 2017年7月15日(土)
1:00PM~6:00PM/ 休廊日 日曜・月曜日 / 入場無料
〒153-0064  東京都目黒区下目黒6-20-29
JR目黒駅からバス、目黒消防署下車徒歩3分 / 東急東横線学芸大学下車徒歩15分

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2017年3月29日 (水)

"BOWIE : FACES"展は4月2日(日)まで開催 いよいよ最終週 お見逃しなく!

Blog
Blitzでの"BOWIE:FACES"展示風景

1月6日から代官山 蔦屋書店、アクシス・ギャラリー・シンポジア、ブリッツの都内3会場を巡回してきた"BOWIE : FACES"展。早いもので、いよいよ最終週に突入した。展示主要作品は同じなのだが、会場ごとにかなり大胆に壁面展示を変えてきた。現在のブリッツでは、1967年~2002年までの47点の作品を、作家、撮影年代、作品サイズなどをあえて混在させて、壁面全体をフルに利用して展示している。
キャリアを通してボウイは各時代の才能ある写真家、デザイナーなどのクリエーターを多数起用し、彼らとコラボレーションして自らのビジュアル・イメージをセルフ・プロデュースしてきた。その多様さは驚くべきもので、ボウイを知らない子供が会場に来ると、全く違う複数の外国の人のポートレートだと信じているくらいだ。言葉で説明すると回りくどいのだが、その歴然たる事実が今回の展示により、来場者は直感的に理解できるのではないだろうか。
たとえば、若手や新人が今回のような展示を行ってもヴァリエーションが少なく単調になる。いくら作品数が多くても見ていて直ぐに飽きるのだ。しかし、ボウイの複数クリエーターとコラボレーションして制作された作品だと展示にリズムが感じられる。これは想像だが、ボウイの一見ばらばらな姿には適度な規則性があり、壁面の空間周波数は1/fゆらぎにちかくなっているのではないか。様々なクリエーターを採用しているものの、彼らが勝手に創作するのではなく、すべてボウイのディレクションの範囲内に収まっているという意味だ。会場内に身を置くとそのような印象が直感的に湧いてくる。それが理由かは不明だが、本展来場者の滞在時間が普段よりかなり長いのだ。私は約3か月に渡り作品とともにいたのだが、まったく飽きることがなかった。
 
本展では、このようなボウイの各時代の代表的な写真作品がすべて購入可能なのだ。ここからは、少しばかりセールストークを展開してみよう。
ポップ・アルバム・カバーのモナ・リザといわれるダフィーの"アラジン・セイン"。本作のLPサイズ判のマット入り作品などは、オープンエディション、アーカイブのスタンプ付きで約2万円で買える。
また、今年発売40周年を迎える"ヒーローズ"。1977年の同じセッションからセレクションされた鋤田正義の小さめの8x10"(約20X25cm)作品はエディション100、作家サイン入りで額装しても約3万円くらいで入手可能なのだ。こちらの販売開始は"BOWIE : FACES"東京展からなので現時点ではまだ予約可能だ。鋤田はこれから、ベルリン、イタリア、ロンドンでの個展開催が予定されている。写真は外国の方が売れるのでこれから完売する可能性もあるだろう。エディションは多く感じるかもしれないが、世界全体で100枚なのだ。
テリー・オニールの"ダイアモンド・ドッグ"プロモーション用に1974年に撮影された大型犬が吠えているアイコニックな作品もまだ購入可能。大判サイズは完売しているが、12X16"(約30X40cm)サイズなら30万円程度。また私がお買い得だと考えるのが、"ダイアモンド・ドッグ"のコンタクト・シート作品。セッションの9作品がグリッド状に配置されている。こちらは最近に販売開始されたので、16x20"(約40X50cm)作品がまだ22万円程度で入手できる。テリー・オニール作品はすべてエディション50、作家サイン入りだ。
エディション付きの写真作品は1枚ごとの受注生産となる。展覧会開催時は注文がまとまるので写真家も快く制作してくれる。展示作品以外でも入手可能なのだ。

会期はいよいよ4月2日(日)までとなる。アートとしてのポートレート写真コレクションの考え方や購入後の展示方法など、相談があれば遠慮なく問い合わせてほしい。

(*作品サイズは印画紙サイズ、価格はフレームは別)
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"BOWIE : FACES"展
4月2日(日)までブリッツで開催
Open: 13:00-18:00

参加写真家
ブライアン・ダフィー(Brian Duffy)、
テリー・オニール(Terry O'Neill)、
鋤田正義(Masayoshi Sukita)、
ジュスタン・デ・ヴィルヌーヴ(Justin de Villeneuve)、
ギスバート・ハイネコート(Gijsbert Hanekroot)、
マーカス・クリンコ (Markus Klinko)、
ジェラルド・ファーンリー (Gerald Fearnley)

・オフィシャルサイト

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2017年1月18日 (水)

デヴィッド・ボウイのビジュアル・ワーク
アート系ファッション写真との共通性

私は決してボウイ専門家ではないが、学生時代の1978年に武道館で開催されたボウイ日本公演に行ったファンの端くれだ。ここでは、専門のアートとしてファッション写真の見地からボウイを評価してみたい。

まず、"ポップ文化のモナリザ"と評価されることもあるという、1973年のアラジン・セインのカバー写真を見てみよう。

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"Aladdin Sane"
いまではこのヴァージョンの写真は"クラシック"と呼ばれている

 

本作を撮影したブライアン・ダフィーは、ロンドンで当時すでに有名ファッション写真家だった。実はこの作品、1973年用に前年に制作されたタイヤメーカー・ピレリの販促用カレンダーとの関わりがあるのだ。写真ファンなら知っていると思うが、ピレリ・カレンダーはその時代の最高の写真家とモデルを起用して制作される販促物。1964年から現在まで長きにわたり制作され続けている。販売用でなくVIPや重要顧客に配布されることから、入手困難なコレクターズ・アイテムとしても知られている。
その50年以上の歴史の中で極めて話題性が高かったのは英国人ポップ・アーティストのアレン・ジョーンズ(Allen Jones、1937- )が起用された上記の1973年判なのだ。彼がデザインとアートディレクションを手掛け、ブライアン・ダフィーが写真撮影、映画"時計じかけのオレンジ"のポスター手掛けたフィリップ・カストルがエアブラシを使用してその二つを合体させて制作したという異例のカレンダーなのだ。ファイン・アートが写真カレンダーの世界を侵略したとも言われた。制作過程でアーティスト間で様々な確執があったことや、発売わずか1か月前に社会に誤解を生む可能性があるとのことで一部写真作品が不採用になったエピソードなどでも知られている。当時アレン・ジョーンズを取り扱っていたマルボロ・ギャラリーは、販促用に無料配布されたカレンダーを求める多くの人々にとり囲まれたそうだ。ボンテージ、フェティシュ系の写真作品は、いま見るとたいしたことはない。しかし70年代としてはかなり斬新かつ挑発的だったようだ。
ピレリー・カレンダー関連の写真集は多数出版されている。興味ある人はアマゾンや洋書店で探してほしい。
 
さてボウイのアラジン・セインだが、全体のアートディレクションはダフィーがボウイと相談の上で行っている。カメラは中判のハッセルブラッド、コダック・エクタロ―ムというリバーサル・フィルムを使用。フィルムの特性上やや青白い仕上がりになっているが、逆にそれがヴィジュアルのシュールな雰囲気を高めている。稲妻のメイクもダフィーの発案。彼はローリングストンーズの1970年に制作された赤い舌のロゴマーク「tongue」を意識したらしい。
メイク自体はピエール・ラロシェが担当、鎖骨の水の滴はピレリ・カレンダーで一緒に仕事をしたフィリップ・カストルによりエアブラシを使用してイメージ上に描かれている。LP内側の見開き部分では、ボウイの全身のイメージが収録されているが、胸から下部分はエアブラシのデザインワークが見て取れる。同様のスタイルはピレリーカレンダー6月の写真にも発見できる。
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   Pirelli Calendar 1973, June
英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で開催された"DAVID BOWIE is"展では、メイン・ヴィジュアルに2011年に再発見されたアラジン・セインのセッションでのボウイが目を開いた未使用カットが使用され話題になった。この2枚の大きな違いは、目開きの写真の方には、涙がなくボウイの胸毛が見られることだ。1973年のクラシック・イメージではこの部分はエアブラシで修正され白くなっている。顔の部分も目閉じがやや赤らみ、クラシックはやや白い。たぶんここにも加工がされているのだろう。目開きの写真は、フィリップ・カストルの手が入っていないダフィーによるオリジナル写真なのだ。こちらの方がボウイの肉体の生々しいリアルさが感じられる。実はカストルの匠の技は細かいところまでなされている。クラシック・イメージの目を閉じたボウイのまつ毛のマスカラ部分は彼の手で書き加えられているという。アイラインも描かれているようで、作品を近くから見るとその痕跡が発見できる。
ブリッツで開催中の写真展では2枚が同じ壁面に展示してある。ぜひじっくりと見比べて欲しい。
 
私が最もファッション写真らしく感じるのは、ジュスタン・デ・ヴィルヌーヴが撮影したボウイ初のカバー・アルバム"Pin Ups"(1973年制作)のジャケット写真だ。
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実はそう感じるのも当然、この写真は当初はヴォーグ誌の表紙用に制作されたものだったのだ。写真家のヴィルヌーヴは、ボウイと一緒に写っている元祖スーパーモデルのツイッギーのマネージャーでパートナーだった人物だ。彼は、ロサンゼルスで歌手ピーター・フランプトンがLPのアラジン・セインを持ってきたことでボウイの存在を知る。一部の歌詞にツイッギーを連想させる部分があり、彼はロンドンに帰るとボウイと面会してヴォーグ誌のカバー撮影の提案をしている。ボウイとツイッギーのヴォーグ・カバー案は早々に認められ、撮影はボウイが"Pin Ups"のレコーディングを行っているパリで行われた。撮影時のエピソードも面白い。ちょうど、ツイッギーはカリブ海のバハマ帰りで日焼けしていった一方で、ボウイの肌は真っ白だったのだ。そこでメイク・アーティストのピエール・ラロシェが二人の顔に同じ色のマスクを描くことでこの有名作品が完成するのだ。ボウイはテスト用のポラロイド写真をたいへん気にいり、レコーディング中の"Pin Ups"のジャケットに使用したいと提案。ヴィルヌーヴは悩んだものの、ボウイのLPは百万以上の販売見込みがあり写真は歴史に残る、一方でヴォーグの発行部数8万で発売後すぐに写真は忘れ去られることを熟考して提案を受け入れたのだ。しかし、彼には二度とヴォーグ誌の仕事の依頼はなかったとのこと。21世紀の現在でも"Pin Ups"の写真は多くのボウイ・ファンに愛でられている。結果的に、彼が1973年に下した判断は正しかったのだ。

ボウイはその時代の才能ある写真家、デザイナーなどのクリエーターを見つけ出して、彼らとコラボレーションすることで自らを作品として提示してきた。結果的に、自らをモデルとしたヴィジュアルは時代の気分や雰囲気を色濃く反映された作品に仕上がっていた。彼の関わった写真をいま多くの人が懐かしく感じるのは、それを通して当時の自分を思い起こしているからに他ならない。まさにアート作品として認められているファッション写真と同じコミュニケーションが起きているのだ。
ボウイの関わったヴィジュアルの変遷を見ると、彼が決してマンネリに陥ることなく、果敢に変化してきた過程がよくわかる。アーティストは、いったん成功するとその体験にとらわれて変化を避けるようになる場合がある。そのような人は一発屋としてすぐに消えてしまう。また変化を目的化し、自己満足を追求し奇をてらった表現に陥る人も多くみられる。ボウイのヴィジュアルは明らかにそれらとは違う。彼のような長年にわたってブランドを確立してきたアーティストは、自分の見立て力を生かして多くの才能を積極的に取り込み、新しいボウイのスタイルを作り上げてきたのだ。この点が非常に重要だと考える。

アーティストを目指す人、とくに独りよがりになりがちな若い人には、ボウイのキャリア分析は非常に参考になると思う。

ボウイは、自分自身のブランディングへのヴィジュアルの効果を誰よりも理解していて、キャリアを通してそれを的確に利用してきたアーティストなのではないだろうか。
"BOWIE:FACES"展と、"Duffy Bowie Five Sessions"展は、その軌跡を垣間見ることができる展示になっている。ボウイのファンはもちろん、アート系のファッション写真に興味ある人もぜひ見てほしい写真展だ。
 
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1."BOWIE : FACES"展
1月6日から4月2日までの期間に、代官山蔦屋書店、アクシス・ギャラリー・シンポジア、ブリッツの都内3会場で開催
参加写真家は、ブライアン・ダフィー(Brian Duffy)、テリー・オニール(Terry O'Neill)、
鋤田正義(Masayoshi Sukita)、ジュスタン・デ・ヴィルヌーヴ(Justin de Villeneuve)、
ギスバート・ハイネコート(Gijsbert Hanekroot)、マーカス・クリンコ (Markus Klinko)、
ジェラルド・ファーンリー (Gerald Fearnley)。
 
・オフィシャルサイト
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2.ブライアン・ダフィー写真展
“Duffy/Bowie-Five Sessions”
(ダフィー・ボウイ・ファイブ・セッションズ)
2月5日まで、ブリッツ・ギャラリーで開催
 
本展ではダフィーによる、デヴィッド・ボウイの5シリーズからのベスト作品約18点を展示。
 
参考図書
・Duffy Bowie Five Sessions、ACC、 2014
・BOWIE:FACES Exhibition Catalogue、2017
・The Pirelli Calendar Album、Pavilion、1988

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2016年12月20日 (火)

"BOWIE: FACES"&"Duffy/Bowie"
2017年はデヴィッド・ボウイでスタート!

2017年1月からはデヴィッド・ボウイ関連の二つの写真展を開催する。ちょうど1月8日は、彼が生きていれば70歳の誕生日、そして1月10日は1周忌に当たる。また1月8日からは、英国ヴィクトリア&アルバート美術館企画による"DAVID BOWIE is"の巡回展が、東京天王洲の寺田倉庫G1ビルで開催。今回の二つの写真展は、これらのボウイや彼のファンにとって重要な日程に合わせて1月~4月にかけて都内複数の場所で行う予定だ。ぜひこれらの展示を通して、ボウイのヴィジュアル・アートへ与えた多大な影響の軌跡を見てもらいたい。もちろん会場では、様々な価格帯の各種オリジナル・プリント、写真集、展覧会カタログなどが販売される。
 
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1."BOWIE : FACES"展
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Terry O'Neill © Iconic Images 禁無断転載

1月6日から4月2日までの期間に、代官山蔦屋書店、アクシス・ギャラリー・シンポジア、ブリッツの都内3会場で開催。
本展は、テリー・オニール、ブライアン・ダフィー、鋤田正義など、7名の有名写真家による、1967年~2002年までに制作されたデヴィッド・ボウイの珠玉のポートレート、写真家とのコラボレート作品を紹介する写真展。ボウイによる9枚のアルバムのオリジナル写真、および関連するアート作品が含まれる。

参加写真家は、ブライアン・ダフィー(Brian Duffy)、テリー・オニール(Terry O'Neill)、鋤田正義(Masayoshi Sukita)、ジュスタン・デ・ヴィルヌーヴ(Justin de Villeneuve)、ギスバート・ハイネコート(Gijsbert Hanekroot)、マーカス・クリンコ (Markus Klinko)、ジェラルド・ファーンリー (Gerald Fearnley)。なお彼ら全員が、ヴィクトリア&アルバート美術館の"DAVID BOWIE is"展に協力している。
 
・プレスリリース
・オフィシャルサイト
 
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2.ブライアン・ダフィー写真展
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Duffy © Duffy Archive 禁無断転載

“Duffy/Bowie-Five Sessions”
(ダフィー・ボウイ・ファイブ・セッションズ)
1月8日から2月5日まで、ブリッツ・ギャラリーで開催
 
ブライン・ダフィーは60~70年代に活躍した英国人のファッション・ポートレート写真家。彼はまた70年代にデヴィッド・ボウイと5回の撮影セッションを行っている。"ジギー・スターダスト Ziggy Stardust "(1972年)、"アラジン・セイン Aladdin Sane" (1973年)、"シン・ホワイト・デューク The Thin White Duke"(1975年)、"ロジャー Lodger"(1979年)、"スケアリー・モンスターズ Scary Monsters"(1980年)だ。特にアラジン・セインのアルバムジャケットに使用された写真は有名で、"ポップ・カルチャーにおけるモナリザ"とも呼ばれている。写真家ダフィーの名前を知らない人でもこの写真は見たことがあるだろう。
2013年夏、英国ロンドンのヴィクトリア&アルバート美術館で開催された"DAVID BOWIE is"展では、メイン・ヴィジュアルにアラジン・セインのセッションでのボウイが目を開いた未使用カットが使用され話題になっている。    
本展ではダフィーによる、デヴィッド・ボウイの5シリーズからのベスト作品約18点を展示する。
 
・プレスリリース、プレス用プリント
 
 
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ヴィクトリア&アルバート美術館の"DAVID BOWIE is"はボウイ・ファンには必見の展覧会だ。一方"BOWIE: FACES"と"Duffy/Bowie"は、ボウイ・ファンはもちろん、アートやファッション写真のファンも十分に楽しめる写真展だ。多くの写真家たちが、彼に多大な刺激を受けていた状況がヴィジュアルで体験できる。こちらは入場無料。ご来場をお待ちしています!

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2016年12月13日 (火)

テリ・ワイフェンバックの写真世界
デジタルで広がる表現の可能性!

現在、ブリッツで開催中の"As the Crow Flies"展。長年にわたる友人のテリ・ワイフェンバックとウィリアム・ウィリーによる二人展だ。10月に始まった写真展の会期も今週末までとなった。
ここで改めて写真展の見どころを紹介しておこう。以前、ウィリアム・ウィリーの詳しい解説は行ったので、今回はテリ・ワイフェンバックを取り上げる。
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Ⓒ Terri Weifenbach 禁無断転載
ワイフェンバックは長年ライカ・カメラを使用してタイプCプリントで作品制作してきた。今回の作品は、ソニーα7RⅡというデジタルカメラで撮影され、インクジェットで制作されている。レンズは彼女が長年使用してきたライカ・カメラのものを利用している。彼女はデジタルカメラを使用して表現の幅を大きく広げている。私たちが普段見過ごしている自然をカメラを通して提示することが彼女の大きな作品テーマだ。今回写真展タイトルにもはいっている鳥。彼女は、自然の一部として常に気にかけていた。しかし鳥は動きが早いのでアナログのフィルムではうまく表現することができない。彼女の過去の作品にも、空中で静止している蜂やトンボなどの昆虫類は登場するものの鳥はでてこない。デジタルカメラを手にしたことでかなり早いシャッタースピードでの撮影が可能になった。デジタルの採用により鳥が作品の中心として登場可能になったのだ。
また今回の作品で彼女は自宅裏庭の自然風景の四季を表現している。個別タイトルの"The 20X35 Backyard"は彼女の裏庭の広さを意味する。季節によっては光線が弱い時期もあるわけで、フイルムでは限界があった状況でもデジタル利用で撮影が可能になったと推測できる。
もう一つの新しい表現は、抽象的な作品が含まれていること。デジタルの方が抽象的なヴィジュアルを作りやすいかどうかは私は専門家でないので判断できないが、明らかに絵画を感じさせる表現が増えている。フィルムだと現像しないと画像がわからないが、デジタルはその場で確認できる。たぶんそのような作成過程の違いが、抽象的なヴィジュアル探求のきっかけになったのだろう。彼女は元々は絵を描くアーティストなので、新たな方向性としてカメラによる絵画制作に挑戦していると思われる。
ワイフェンバックは来年4月に静岡県三島のIZU PHOTO MUSEUMの個展が決定している。伊豆で撮り下ろされた作品群を中心に、2005年のモノクロ作品"The Politics of Flowers"も展示されるという。新作の一部を見せてもらったが、古の日本人が山河で感じた自然の神々しさが表現されているように感じた。そこにも抽象画を感じさせるような作品が含まれていた。同展ではかなり大きなサイズの作品が展示されるという。これもデジタル写真の恩恵といえるだろう。全貌が明らかになるのが非常に楽しみだ。
なお、ブリッツでも4月にテリ・ワイフェンバックの個展開催を予定している。

"As the Crow Flies"展は、アート写真のコレクターはもちろん、写真撮影を趣味とする人にも技術的に興味深い展示だ。ワイフェンバックはフルサイズのデジタル・カメラで、ウィリーは8X10のアナログ・カメラを使用。両者の写真には、絞り解放のカラーと絞り込んだモノクロという明確な違いがある。そしてともにインクジェットで制作された作品なのだ。ワイフェンバックは元々はCプリントのプリントを自身で行っていた。いまでも学校で写真とプリントを教えている。今回のカラーの展示プリントもプリント専門家の彼女により制作されている。

ウィリーの作品は専門のプリンターがスキャンからプリントまでを手掛けた現在のアメリカのインクジェットによるモノクロ・ファイン・プリントのスタンダードだ。銀塩写真の表現力を凌駕しているという意見も聞かれるクオリティーだ。アマチュアはもちろん作家を目指す人もプリント基準を知るために必見だ。
 
「As the Crow Flies」
テリ・ワイフェンバック & ウィリアム・ウィリー
2016年12月17日(土)まで開催
1:00PM~6:00PM/ 入場無料 
ブリッツ・ギャラリー
 
(*ギャラリー特別オープンのご案内)
好評につき12月18日の日曜日もブリッツはオープンします。
日曜しか来廊できない人はぜひお出でください!
1:00PM~5:00PM
 

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2016年10月18日 (火)

ブリッツ次回展 「As the Crows Flies」
自然を愛する米国人写真家の二人展を開催!

ブリッツでは、10月20日(木)から米国人写真家テリ・ワイフェンバックとウィリアム・ウィリーの二人展「As the Crows Flies」を開催する。
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ワイフェンバックは日本でも知名度が高いが、ウィリーの名前は知らない人が多いだろう。彼は多方面の日本文化に興味持っていて、来年は歩いて四国八十八ヶ所の巡礼の旅を敢行するという。実は2年前にも来日していて、友人のワイフェンバックの紹介でブリッツに来ている。日本での個展開催を希望しており、それ以来ずっと定期的に連絡はとっていた。しかし、彼のはヴァージニア大学のアート部門の教授であり、米国ではそれなりにキャリアを持つ、写真集も数多く出版している写真家なのだが、日本では知名度が全くない。このような場合は非常に多く、ギャラリーは中長期的なスタンスで日本市場での写真家の名前の浸透を図るためのマーケティング努力を行うのだ。通常は、まずグループ展やアートフェアに展示してオーディアンスの反応を見ることになる。
 
本展の企画は、この長年の友人である同世代の二人の写真家の発案で始まった。2016年の年初、ニューヨークで行われた共通の友人の写真展会場で二人は偶然再開する。ワイフェンバックは、ちょうどワシントンD.C.の自宅裏庭で野鳥、自然風景、季節の移り変わりをテーマにしたカラー作品が完成したところだった。ウィリーも2015年から始めた、8X10大判カメラを使用して樹木を探求したモノクロ作品のシリーズ
"Anatomy of Trees"(樹木の解剖学)を撮り終えたばかりだった。
二人の写真の表面的な印象は、カラーとモノクロということもあり全く違う。しかし、ともに撮影対象は植物や自然風景。ワイフェンバックが撮影している野鳥は、ウィリーが撮影している木々に住んでいるという関係性もある。また二人はともに自然世界を愛し崇拝する感覚を持って作品を制作している。
ちょうど、ウィリーが東京での個展開催を希望していることを知るワイフェンバックが私どもに二人展開催を提案してきたのだ。日本でのワイフェンバックの知名度を使って、ウィリーの作品を知ってもらうのは上記のギャラリーの中期的プログラムともマッチする。このような経緯で今春には秋の二人展開催が決定したのだ。今年の6月には二人展を意識してウィリーの「Route 36」シリーズをアクシスで開催されたフォトマルシェで展示してみたりした。

展覧会に際してウィリアム・ウィリーは来日を予定するとともに、教授を務めるヴァージニア大学の関係で日本の学校で学生に話す機会を求めていた。運よく日本大学芸術学部写真学科がレクチャー開催を快諾してくれた。これはギャラリーの営業活動と直接関係はないものの、写真家来日時のマネージメントはギャラリーの仕事の一部となる。写真家が気持ち良く仕事を行う環境作りは、信頼関係構築のために非常に重要なのだ。

レクチャーはちょうど17日に開催され、私も同行して彼の話を聞くことができた。彼は人前でのトークには慣れているようで、通訳付きの英語の話だったが非常にわかりやすかった。スライドで自作を見せながら、キャリア変遷、作品制作のきっかけ、背景、エピソードを聞かせてくれた。私が特に納得したのは、どうすればアーティストになれるかという部分だった。
彼は、"まず前提が「オリジナル(original)」な作品制作は難しいという認識を持つこと。写真やアートの長い歴史の影響を誰もが受けている。自分の風景作品もロバート・アダムスの影響がある。しかし、自分にしかできないこと、「インディビジュアル(indivisual)」な視点を大切にしてほしい。自分にしかできないことを継続していけば、ある日周りの人がそれをオリジナルだというようになるかもしれない"と語っていた。
レクチャー内ではないが、米国で今人気のある写真家名も聞かせてくれた。あくまでも独断だとしながらも、最初にあがったのがアレック・ソス。やはり、ウォーカー・エバンスからロバート・フランクへの流れかあっての評価のようだ。彼の地元写真家のサリー・マン。ドイツ・ベッヒャー系の、トーマス・シュトルート、アンドレアス・グルスキーも人気アーティストとのこと。
日本の写真家に対する米国での人気度についても面白かった。プロヴォーグ時代の、森山大道、荒木経惟、東松照明などは日本写真の教科書的なクラシックと考えられているらしい。現代では断トツに杉本博司、それに続くのはかなり離れて柴田敏雄とのことだ。若手では畠山直哉の作品は知っているとのこと。
 
さて二人展に戻るが、写真展タイトルの「As the Crows Flies」も二人で決めている。ワイフェンバックは自宅の庭で数々の飛ぶ回る鳥を撮影している。それを踏まえて感覚的につけたのだろう。ちなみに本作のシリーズ名は「The 20 x 35 Backyard」という。自宅の庭のサイズを表している。「Under the Sun」というタイトルも最後まで候補に残ったことを付け加えておこう。私たちは、忙しい現代生活の中、身の回りにある樹木などの自然や鳥などの動植物の存在を完全に忘れている。二人は本作をきっかけにして、それらに意識的に接してみて欲しいと希望しているのだ。アートに触れることで視点が変わると、当たり前だった環境が突然魅力的に感じるようになるかもしれない。
本展では、ワィフェンバックはカラー作品約15点、ウィリアム・ウィリーはモノクロ作品約15点を展示する。彼は8X10カメラを使用して撮影している。ともに全作がデジタル・アーカイヴァル・プリントとなる。
 
最後にウィリーの日本語読みについて触れておこう。アクセントにより聞え方にかなり幅があり、ワイリーの方が近いという人もいるようだ。実は彼の「Route 36」作品を今年6月のフォトマルシェで展示した時はウィリーの表記だった。混乱を避けるために今回も敢えて変更はしなかった。日本語読みは本当に微妙に違うことがあり悩ましい。ワイフェンバックもワイフェンバッハの方が響きが近いという人もいるのだ。母国語表記が基本で、日本語読みには正解や不正解はないと理解している。それゆえ、カタログと案内状にもあえて日本語表記を行っていない。
 
「As the Crow Flies」
テリ・ワイフェンバック & ウィリアム・ウィリー
2016年 10月20日(木)~ 12月17日(土)
1:00PM~6:00PM/ 休廊 日・月曜日 / 入場無料 
ブリッツ・ギャラリー

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