写大ギャラリーの木村伊兵衛写真展
写大ギャラリーは、東京工芸大学の中にある。
週末に中野坂上の写大ギャラリーへ木村伊兵衛展『ヨーロッパ/中国』展を見に行った。昨年来、木村伊兵衛はちょっとしたブームになっている。朝日新聞社からカラー作品によるパリの写真集が再版され、銀座のメゾンエルメス・フォーラムで「木村伊兵衛のパリ」展が開催、ライカ銀座店2階サロンでもモノクロ作品が展示されていた。
メゾンエルメスでは写真自体を見せるよりも、ギャラリーのテーマであるパリの雰囲気の演出が優先されていた。作品もカラーのインクジェット・プリントだった。しかし、木村伊兵衛が当時のパリの雰囲気を撮影していたことが発見できて非常に新鮮に感じたことも事実だった。
パリの写真集でエッセーを担当していた写真家マーティン・パー氏は、"木村は当時無名だったアジェのパリの残りかすを追い求めている。古い建物が崩壊し朽ち果てていくパリをノスタルジックに撮影している。カラーであることからアジェよりもロマンチックに感じられる。"と指摘している。たぶん、外国人の木村伊兵衛は日本人がイメージしていた古いパリを追い求め、そんな背景の中で、カッコいいなあと感じたシーンを撮影していたのではないだろうか。カルチェ=ブレッソンやドアノーとの交流を通してパリの先端文化に触れたことも背景にあるのだろう。
写大ギャラリーでの展示だが、欧州の写真はメゾン・エルメスでの展示と同じ1954年、1955年に長期欧州取材時のもの、中国での作品はその後の1963~71年に撮影されている。こちらはフレーム、ブックマットという、オーソドックスに写真を見せることを考えた展示だった。いままでだとライカ使いの写真家の銀塩写真を見せる写真展という印象だっただろう。 しかし、私は少し前にカラー作品や再版されたパリの写真集を見ているのでそれらとのつながりを意識してしまう。
本展だけを観るより、一連の写真展を観てつながりを意識したほうが面白く感じるはずだ。(残念ながら銀座での写真展は終了済み)好きなイメージがあって、色々な視点や背景がわかってくると写真はますます面白くなっていく。時代性を取り込んだ写真は広義のファッション写真だと考えている。もしかしたら、木村伊兵衛は日本で初めてアートになりえるファッション写真を撮った写真家かもしれない。
写大ギャラリー木村伊兵衛展『ヨーロッパ/中国』展
http://www.artphoto-site.com/guide164.html
写真集『木村伊兵衛のパリ』
http://www.artphoto-site.com/b_445.html
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5月は数多くの写真展やイベントを行う。
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